フォード・モーターの株価は金曜日に6%上昇し、52週高値を更新。8営業日連続の上昇となり、伝統的な自動車メーカーがAIインフラ向けバッテリー蓄電事業に軸足を移すとの見方から投資家の再評価が進んでいる。
フォード・モーターの株価は金曜日に6%上昇し、52週高値を更新。8営業日連続の上昇となり、伝統的な自動車メーカーがAIインフラ向けバッテリー蓄電事業に軸足を移すとの見方から投資家の再評価が進んでいる。

フォード・モーター(Ford Motor Co.)は金曜日に6%上昇し17.78ドルとなり、8日連続の上昇で52週高値を更新した。Ford Energyという新たなストーリーが、同社の成長軌道に対する投資家の期待を根本から塗り替えつつある。
「エネルギー事業は、当社が8%の利益率に到達するための重要な架け橋となる」。ジェームズ・ファーリー最高経営責任者(CEO)は第1四半期決算のアナリスト向け電話会議でこう述べ、さらに「来年第4四半期から20ギガワット時超の生産能力を確保する」と付け加えた。
株価は過去1カ月で43%上昇し、約17年ぶりの月間パフォーマンスを記録。時価総額は約696億ドルに拡大した。この急騰はウォール街のコンセンサス目標株価13.56ドルを大きく上回っており、従来の自動車業界向け収益モデルではまだ十分に織り込まれていないFord Energyのアップサイド・オプショナリティを市場が認識し始めたことを示している。
フォードは5月12日、電気自動車(EV)用バッテリーをデータセンターの電力貯蔵に転用する20億ドル子会社「Ford Energy」を立ち上げた。その6日後には、EDFパワー・ソリューションズ・ノースアメリカと5年間の枠組み契約を締結。2028年からEDFが年間最大4GWhのバッテリー貯蔵システムを調達できる内容で、総契約容量は最大20GWhに上る。モルガン・スタンレーはその後、同事業の長期機会は最大100億ドルに達する可能性があると指摘し、このビジネスモデルは従来の自動車製造よりも高い利益率を実現し、景気循環リスクを低減すると評価した。
急騰の背景には、その前の決算発表がファンダメンタルズの触媒となった。フォードは4月29日に調整後1株当たり利益0.66ドルを報告し、コンセンサス予想の0.20ドルを230%以上上回った。連結売上高は前年同期比6.4%増の433億ドル、Ford Proの有料ソフトウェア購読件数は30%増の87万9000件に達した。同社は通期の調整後EBITガイダンスを従来の80億~100億ドルから85億~105億ドルに引き上げた。
この上昇相場は、より広範な市場の勢いにも支えられている。ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスは金曜日に36%急騰。投資家が5.26%の株式を保有していることが明らかになった。また、デル・テクノロジーズは好調な四半期決算を受け32%上昇。S&P500種株価指数は0.23%上昇の7600、ダウ工業株30種平均は0.10%上昇の5万1068で取引を終えた。
今後の焦点は、Ford EnergyがEDF契約と同等の規模の追加契約を獲得できるかどうかである。第1四半期の業績を押し上げた13億ドルの一時的な関税恩恵は反動減となるため、有機的なキャッシュ創出力がエネルギー貯蔵事業の拡大を支えるカギとなる。経営陣が第2四半期決算でエネルギー事業についてどのような説明を行うか、新たなストーリーに持続的な財務基盤があるかどうかを判断する上で注目される。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。