Key Takeaways:
- デュアルアゴニスト製剤であるスルボズチドは、肥満または過体重の成人を対象とした76週間の試験で、プラセボの3.2%に対し、平均16.6%の体重減少をもたらしました。
- この試験は主要な副次評価項目も達成し、心血管代謝リスクの指標である腹囲の有意な減少を示しました。
- 今回の良好な結果により、ベーリンガーインゲルハイムとジーランド・ファーマの同薬は、数兆円規模の肥満症治療薬市場における有力な競合候補となります。
Key Takeaways:

(Bloomberg) -- ベーリンガーインゲルハイムとジーランド・ファーマ(Zealand Pharma A/S)の試験的肥満症治療薬「スルボズチド(survodutide)」は、後期臨床試験で平均16.6%の体重減少を示しました。これにより、イーライリリー(Eli Lilly & Co.)やノボ・ノルディスク(Novo Nordisk A/S)の主力治療薬に対する強力な将来の競合薬としての地位を固めました。
ジーランド・ファーマの最高医学責任者(MD)であるデビッド・ケンダル氏は声明で、「本日ベーリンガーインゲルハイムが発表したSYNCHRONIZE-1試験の主要結果を非常に心強く感じています。これは、過体重または肥満、および関連する代謝機能障害を抱える人々にとって、スルボズチドが差別化された治療法になるという期待を裏付けるものです」と述べました。
第3相試験であるSYNCHRONIZE-1において、スルボズチドの週1回投与を受けた成人は、76週間後に体重が最大16.6%減少しました。これはプラセボ群の3.2%減少と比較して、統計的に有意な減少です(p<0.0001)。また、同試験はもう一つの共同主要評価項目も達成し、実薬群の85.1%が5%以上の体重減少を達成しました(プラセボ群は38.8%)。
この結果は、年間売上高が数百億ドル(数兆円)に達すると予想される、急速に拡大する肥満症治療薬市場の競争を激化させます。スルボズチドの性能は、ノボ・ノルディスクの「ウゴービ(Wegovy)」やイーライリリーの「ゼップバウンド(Zepbound)」といった既存のGLP-1受容体作動薬と直接競合するものであり、現在の二強体制を打破する可能性があります。試験の全データは、2026年6月に開催されるアメリカ糖尿病学会(ADA)学術集会で発表される予定です。
スルボズチドは、グルカゴンとグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)という2つの腸管ホルモンを模倣するデュアルアゴニストです。GLP-1成分が食欲を抑制する一方で、グルカゴン作用は肝臓を直接標的として代謝機能を改善し、肝脂肪を減少させると考えられています。この二重のメカニズムは、単なる体重減少を超えて、深刻な脂肪肝の一種である代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)などの関連疾患にも利益をもたらす可能性があります。
試験では、心血管代謝リスクや肝機能障害と密接に関連する内臓脂肪の主要な指標である腹囲の統計的に有意な減少も示されました。ベーリンガーは、MASH患者を対象とした2つの第3相試験(LIVERAGEおよびLIVERAGE-Cirrhosis)でも同薬を研究しています。
安全性プロファイルは、他のGLP-1製剤と同様でした。最も一般的な副作用は軽度から中程度の胃腸障害で、主に投与開始時の増量期に多く見られました。新たな安全上の懸念は特定されませんでした。
ベーリンガーインゲルハイムはジーランド・ファーマからこの薬のライセンスを取得しており、グローバルな開発と商業化を単独で担当しています。ジーランドは世界売上高に応じたロイヤリティと、最大3億1,500万ユーロの潜在的なマイルストーン支払いを受け取る権利があります。今回の良好なデータは、アルティミューン(Altimmune Inc.)など、他のデュアルアゴニスト製剤を開発している企業にも注目を集めています。
SYNCHRONIZE-1の強力な有効性データは、スルボズチドが肥満症市場で大きなシェアを獲得する可能性を裏付けています。今後のADA会議での発表は投資家にとって重要なカタリストとなり、同薬の全臨床プロファイルに関するより詳細な洞察を提供することになるでしょう。
この記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。