主なポイント
- SAPの第1四半期の非IFRS売上高は95.6億ユーロで、市場予想の95.3億ユーロをわずかに上回りました。
- 第1四半期のクラウド売上高は59.6億ユーロとなり、アナリスト予想の59.0億ユーロを上回りました。
- 強固なクラウド事業の実績と堅実なガイダンスが好感され、同社の米国上場株は時間外取引で11%急騰しました。
主なポイント

ドイツのソフトウェア大手SAP SEが発表した第1四半期の売上高およびクラウド売上高は、アナリスト予想を上回りました。これは、同社のサブスクリプション型サービスへの移行が加速していることを示唆しており、米国上場株は時間外取引で11%上昇しました。
この結果を受け、HSBCは決算発表直前に同社の投資判断を「ホールド」から「バイ」に引き上げました。HSBCは厳しい市場環境を認めつつも、基盤となるビジネスモデルへの信頼を理由に挙げています。
2026年第1四半期において、SAPの実績は主要な成長セグメントで一貫して市場を上回るパフォーマンスを示しました。同社は世界の企業向けテクノロジー・インフラストラクチャの重要な構成要素であり、その業績は企業のIT支出の先行指標と見なされることがよくあります。
投資家のポジティブな反応は、年初から株価が約4分の1下落していた大幅な下落局面を経てのものです。好調な決算内容は、クラウドの成長と人工知能(AI)の統合に重点を置く同社の戦略を裏付けるものとなりました。
SAPは、為替変動の影響を除いた2026年のクラウド売上高を258億ユーロから262億ユーロの間と予測しています。また、同社は最近Google CloudとのAI提携を拡大し、AIアプリケーション向けに企業データをより適切に準備するため、ソフトウェア専門企業のReltioの買収を発表しました。
戦略的イニシアチブを支えているのは強固な財務体質です。SAPは昨年のフリーキャッシュフローを前年のほぼ2倍となる80億ユーロ強に拡大させ、2026年には100億ユーロの大台を目標としています。これにより、1株あたり2.50ユーロの配当提案や、初回枠で最大26億ユーロとなる新しい自社株買いプログラムなど、積極的な株主還元策が可能となりました。
この好調な四半期報告により、市場の関心は再び事業の遂行能力、特に将来の収益の重要指標として投資家が注目するクラウドの受注残高(バックログ)の成長へと戻っています。今回の業績は、クラウドとAIに対するSAPの戦略的賭けが成果を上げ始めているという具体的な証拠を提供し、株価が最近の安値から回復するための潜在的な触媒となっています。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。