ステート・ストリート株、好決算にもかかわらず純金利収入が期待を下回り下落

はじめに

ステート・ストリート・コーポレーション（NYSE: STT）は、2025年第3四半期の決算を発表し、利益と収益の両方で市場予想を上回る堅調な業績を報告しました。しかし、このカストディ銀行の株価は金曜日に下落しました。これは、投資家が予想を下回る純金利収入（NII）と純流入の減少に注目したためです。

イベントの詳細

ステート・ストリートは、2025年第3四半期の1株当たり利益（EPS）が2.78ドルとなり、アナリスト予想の2.62ドルを上回ったと報告しました。当四半期の総収益は35.4億ドルに達し、コンセンサス予想の34.6億ドルを上回りました。これは、すべてのセグメントで堅調な手数料収益の伸びに牽引され、総収益が前年同期比で9%増加したことを示しています。

同社は、記録的な51.7兆ドルの預かり・管理資産（AUC/A）と5.4兆ドルの管理資産（AUM）を達成しました。これらの数字は、市場水準の上昇と純流入に起因し、前年と比較してAUC/Aが10%増加、AUMが15%増加したことを反映しています。

これらの好調な指標にもかかわらず、純金利収入（NII）は懸念材料でした。2025年第3四半期のNIIは7億1,500万ドルで、Visible Alphaの推定値である7億3,300万ドルを下回りました。これは、2025年第2四半期の7億2,900万ドルから約1.92%の前期比減少、2024年第3四半期の7億2,300万ドルから1.11%の前年同期比減少を意味します。

さらに、総純流入は2,600万ドルで、Visible Alphaのコンセンサスである4,200万ドルを下回り、第2四半期の8,200万ドル、前年第3四半期の1億ドルから減速しました。ステート・ストリートの株価はこれらの期待外れな結果に反応し、金曜日の市場取引前で**5.0%**下落しました。

市場の反応分析

決算と収益が予想を上回ったにもかかわらず、市場が否定的に反応したのは、主に純金利収入の予想外の縮小によるものです。NIIの減少はいくつかの要因に起因します。

• 平均短期金利の低下: ステート・ストリートが短期投資や融資から得る金利が減少しました。
• 預金構成の変化: 顧客が非利息預金口座から利息付き口座に資金を移動させ、これにより銀行の資金調達コストが増加しました。

これらの要因により、第2四半期の高水準と比較して預金残高が減少したため、利息獲得資産が減少しました。証券ポートフォリオのキャッシュフローを高利回りで再投資し、融資が継続的に成長したことにより影響は部分的に緩和されましたが、NIIの未達は全体として好調な四半期を覆い隠しました。これは、手数料ベースの収入が堅調である一方で、利息収入という伝統的な銀行業務の要素が、ステート・ストリートのような金融機関に対する投資家信頼にとって依然として重要な指標であることを示唆しています。

広範な背景と影響

ステート・ストリートの2025年のNIIパフォーマンスは、一部の同業他社と比較して著しく弱く、市場の注目を集めました。このNIIの傾向は、特に金利が安定または低下する場合、あるいは預金構成の変化が業界全体で持続する場合、利息収入に大きく依存する金融機関にとってより広範な課題を示す可能性があります。

しかし、同社の全体的な財務健全性は、堅調な手数料収益の伸びに支えられています。総手数料収益は前年同期比で8%増加し、サービス手数料は7%増、運用手数料は16%増でした。この多様化と規律ある経費管理により、ステート・ストリートは、特記事項を除いて7四半期連続でプラスの営業レバレッジを達成しました。

ステート・ストリートのビジネスモデルは、株式および外国為替（FX）取引に大きく傾倒しており、株価水準の上昇やFX変動の増加から恩恵を受けることができます。市場環境に対するこの感度は、手数料収入の増加につながり、特に将来の期間においては、純金利収入の予想外の増加をもたらす可能性があります。

今後の見通し

ステート・ストリートは、2025年の手数料収益が、資産サービスおよび管理活動の増加に牽引され、以前のガイダンスである**+5～7%**の上限、またはそれをわずかに上回ると予想しています。同社は、3兆ドルに上る新規サービス受託案件のパイプラインを抱えており、その半分は2025年中に完了する見込みです。この大規模なパイプラインは、今後の管理資産および収益源の成長の可能性を示唆しています。

経営陣は、Apex Fintech Solutionsとの提携によるウェルスサービス戦略の推進など、継続的な戦略的優先事項を強調しており、これが主要な成長ドライバーとなることが期待されています。NIIは最近懸念材料となっていますが、アナリストは、特に2026年には、一部の四半期の追加日数や、金利が上昇する可能性のある環境における資産感応度などの要因から、NIIの成長の可能性を予測しています。ステート・ストリートが純金利収入を安定または増加させる能力、そして手数料ベースの収益の継続的な強さは、今後の四半期における投資家評価の重要な要素となるでしょう。