中国のAIリーダーである智譜AI(Zhipu AI)は、2025年の売上高が前年比131.9%増の7億2,400万人民元と2倍以上に急増した一方で、研究開発への戦略的投資により損失が拡大したことを発表しました。
3月31日に公開された年次報告書によると、同社の純損失は前年の29億5,800万人民元から59.5%増の47億1,800万人民元に拡大しました。この結果は、市場シェア獲得のために技術開発を優先するという慎重な戦略を反映したものです。
損失拡大の直接的な要因は、研究開発費が44.9%急増し、年間で31億8,000万人民元に達したことにあります。同社の主要な成長エンジンは、クラウドサービスとAIエージェント事業でした。
智譜AIの高投資戦略は、AIアプリケーション分野の他のプレーヤーとは対照的であり、収益化を後回しにしてディープテクノロジーの開発に未来を賭けています。同社にとっての重要な試金石は、拡大するユーザーベースと技術的リーダーシップを持続可能なビジネスモデルに転換できるかどうかにあります。
プラットフォーム採用による成長
智譜AIの増収は、同社の商用製品がユーザーに大幅に採用されたことに裏打ちされています。同社は、オープンなModel-as-a-Service(MaaS)プラットフォームの登録ユーザー数が400万人を超えたと報告しており、GLMシリーズのモデルに対する強い需要を示しています。報告書では、最新のGLM-5モデルがリリース後、国内の主要インターネット企業によって迅速に統合されたことが強調されています。
製品価値への自信の表れとして、同社は2026年2月にプログラミングパッケージの値上げを実施しましたが、市場からは好意的に受け入れられたと言及しています。
AIセクターにおける戦略の分岐
智譜AIが多額の研究開発費を投入した「あらゆる犠牲を払った成長」モデルを追求する一方で、AIセクターの他の企業は代替の道を示しています。例えば、画像処理ソフトウェア企業の美図(Meitu Inc.)は、アプリ内のAI機能の収益化に成功したことで、2025年の売上高が28.8%増加し、調整後純利益は64.7%急増しました。この乖離は、基盤モデルの構築と収益性の高いアプリケーションの展開という、業界における重要な戦略的分断を浮き彫りにしています。
智譜AIはグローバル展開も拡大しており、国際的なパートナーシップモデルを模索する中で、事業は現在218の国と地域をカバーしています。
積極的な支出は、競争の激しい大規模モデルの分野で技術的優位性を確保しようとする同社の姿勢を強調しています。しかし、多額のキャッシュバーン(資金燃焼)は、長期的な財務の持続可能性と収益化への道筋に疑問を投げかけています。投資家は、同社の巨額の研究開発投資が将来の収益に結びつく兆候を注視することになるでしょう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。