モーニングスターは、エネルギー大手ペトロチャイナ(中国石油天然気、00857.HK)の2025年通期決算が予想を上回り、地政学的ショックへの耐性を示したとして、同社の適正株価予想を8.4%引き上げました。
同社は、ペトロチャイナの香港上場株の推定値を9.50香港ドルから10.30香港ドルに引き上げました。モーニングスターはリポートの中で、「中東で混乱が続いているものの、ペトロチャイナは潜在的な供給寸断に対処する準備が十分に整っているようだ」と述べています。
今回の上方修正は、2025年の純利益に基づいています。純利益は前年比4.5%減の1,573億元(約1,573億人民元)となりましたが、同社の予想を上回りました。この実績は、12.6%増の608億元に達した天然ガス販売の営業利益や、競合のシノペック(中国石油化工)を上回る6%の利益成長を記録した販売事業に支えられました。
香港市場におけるペトロチャイナの株価は、年初来で30%以上上昇しています。モーニングスターは、強力なガス事業と多角化されたサプライチェーンを主要な強みとして挙げており、新たな適正株価はさらなる上昇余地を示唆しています。
業績の詳細:底堅さを実証
会社側の開示資料によると、ペトロチャイナの2025年の利益は、売上高が2.5%減の2兆8,600億元となったものの、安定性を示しました。主な押し下げ要因は、原油の平均販売価格が14.2%下落したことでした。
しかし、同社は増産によってこれを補いました。天然ガスの生産量は4.5%増の5兆3,600億立方フィートとなり、原油生産量は0.7%増の9億4,800万バレルとなりました。
同社の川下販売事業は、他社との差別化要因となりました。同業のシノペックが同時期に販売利益を47%減少させた一方で、ペトロチャイナは同セグメントの利益を6%増加させました。同様に、化学部門も利益が19%減少したものの、赤字となったシノペックの化学事業とは対照的に黒字を維持しました。
地政学リスクと今後の展望
モーニングスターは、世界の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡に対するペトロチャイナの露出が限定的であることを強調しました。経営陣は、同海峡を通過するエネルギー輸入は同社の運営要件の約10%に過ぎず、地域情勢の不安定化によるリスクは軽減されていると述べています。
天然ガス事業の見通しは、引き続き上方修正の主要な原動力となっています。モーニングスターのリポートは、「天然ガスの貯蔵能力が向上するにつれ、ペトロチャイナの天然ガス事業の利益は力強い成長を維持すると予想される」と指摘しており、これにより同社は高価なスポット市場からの調達への依存を減らすことができます。
今回の上方修正は、ペトロチャイナのガスへの戦略的注力と多角化されたサプライチェーンが、変動の激しいエネルギー市場において持続的な優位性を提供していることを示唆しています。投資家は、次回の決算発表において、天然ガスセグメントの継続的な強さと利益率の安定性に注目することになるでしょう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を構成するものではありません。