- 日銀による為替介入への警戒感からドル円相場は急落し、155.00レベルでサポートを見出しました。
- 堅調な米経済指標と旺盛なリスク選好が引き続きペアに上昇圧力をかけており、日銀の防衛姿勢との間で膠着状態が生じています。
- 158.00付近に主要なレジスタンスが形成されており、今週予定されている日本国債入札や米インフレ指標が次の大きな市場変動要因になると予想されます。
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日本円は、堅調な米経済指標と日銀による為替介入への根強い警戒感との間の「綱引き」状態にあり、ドル円相場は数十年ぶりの高値圏を下回る水準で足止めされています。
日本銀行(日銀)が低迷する円を支えるために市場介入の準備があることを示唆したことを受け、ドル円は1.2%急落し、155.00付近のサポートラインを試す展開となりました。この動きは、日米間の広範な金利差によって売り込まれてきた円にとって一時的な休息となりましたが、これまでのところ大きなトレンドを反転させるには至っていません。介入への警戒感は、158.00の手前で実質的な上値抵抗線(レジスタンス)を形成しています。
農林中金総合研究所の南武志チーフエコノミストは、「日銀は明確な防衛ラインを引いているが、口先介入だけで強気なファンダメンタルズに無期限に対抗することはできない」と指摘します。「トレーダーらはその決意を試しており、米国の指標が依然として強く、FRBが利下げを急いでいないことを承知の上で、押し目買いを入れています。これは『チキンレース』であり、日銀は相場を押し上げようとする市場と対峙しています」
日本当局への圧力は国内の債券市場にも波及しています。日本国債(JGB)の利回りは高止まりしており、10年債利回りは2.02%付近、30年債利回りは1.59%付近で推移しています。これらの水準は、中央銀行の為替介入が圧力を国内資産に跳ね返らせていることもあり、市場が日本国債の保有に対してより高いプレミアムを要求していることを示唆しています。今週行われる10年債および30年債の入札は、投資家の意欲と財務省の決意を測る重要な試金石となるでしょう。
今後の見通しとして、この膠着状態は当面続く可能性が高いと考えられます。日銀の行動は158.00を超えるドルの上昇を抑えることに成功していますが、155.65を下回る水準では買い注文が並び、大幅な売りを吸収しています。今後は米国のインフレ指標に注目が集まっており、消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)の発表が次の大きな材料になると予想されます。インフレ率が予想を上回れば、FRBの利下げに対する慎重な姿勢が強まり、ドル円相場にさらなる上昇圧力をかけ、日本当局との新たな対立の舞台が整うことになります。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。