- 円は3日続落し、1ドル=159.73円と1990年以来の安値を更新。原油価格の上昇が日本の貿易収支を圧迫している。
- 米国とイランの交渉決裂を受けた原油急騰により、資源乏しい日本の輸入コストが増大し、インフレ懸念が強まっている。
- 市場の関心は日本銀行による介入の可能性に移っており、トレーダーは円買い介入が実施される高い確率を織り込んでいる。
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週明け月曜日の円相場は1ドル=159.73円まで下落し、30年以上の期間で最安値を更新した。原油価格の急騰が輸入依存度の高い日本経済への懸念を強め、通貨安に対する日本銀行の許容度が試される展開となっている。
円の3日続落の引き金となったのは、米国とイランがイスラマバードでの外交合意に至らなかったことを受けた原油価格のスパイクだ。インフレ圧力が強まる中でも金融引き締めに慎重な姿勢を崩していない日銀に対し、圧力が一段と高まっている。みずほリサーチ&テクノロジーズのチーフエコノミスト、山下悦子氏は「円安はエネルギーショックに対する日本の脆弱性を如実に反映している」と指摘。「原油価格の上昇により日銀の計算式が変わり、為替介入がより具体的な可能性として浮上している」と述べた。
影響は市場全体に波及した。北海ブレント原油先物は2.5%高の1バレル=92.50ドルに上昇した一方、日経平均株価はエネルギーコストの上昇が企業利益を圧迫するとの懸念から1.8%下落した。日米の国債利回り差の拡大も引き続き円安の主因となっており、米10年債利回りが4.5%を上回る水準で推移する一方、日銀の目標値は0%近辺にとどまっている。
焦点は、日本当局が円買い介入に踏み切るかどうかに移っている。財務省と日銀が円買い介入を実施したのは2022年末が最後だ。かつて介入の引き金となった150円の節目を大幅に上回る円安水準にあり、市場では観測が乱高下している。介入が実施されれば、ドル・円だけでなく主要通貨ペア全体に激しいボラティリティをもたらす可能性があり、その波紋は世界金融市場に広がりかねない。円安が一段と進めば、日銀は大規模緩和の正常化時期の前倒しを迫られる可能性もあり、世界の資産配分に広範な影響を及ぼすことになる。
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。