主なポイント:
- 小米汽車は5月に3万台超を納入、2カ月連続でこの水準を達成
- EV部門は4億5700万ドルの四半期損失、収益性より市場シェアを優先
- BYDは5月に約33万台の乗用EVを納入、小米が埋めるべき規模の差を示す
主なポイント:

小米(シャオミ)のEV事業は5月、2カ月連続で3万台超の納入を達成し、中国の競争激しい電気自動車(EV)市場で既存の競合に挑戦するために必要な生産モメンタムを維持した。
小米汽車は5月に3万台超の車両を納入。スマートフォンメーカーである同社のEV部門が生産規模を拡大する中、大半の新規参入企業にとって数量維持が困難な市場で、2カ月連続で3万台の基準を上回った。
「3万台超の納入を2カ月連続で維持できたことは、小米が初期の生産ボトルネック段階を乗り越えたことを示している」と、エッジンのEVサプライチェーンアナリスト、ルーカス・エレラ氏は指摘する。「次の課題は、この数量を1台当たりの損失縮小に結び付けることだ」
5月の数字は、4月の3万台超の実績に続くもので、SU7セダンの初期生産立ち上げ後、小米の生産システムが安定化したことを裏付けている。同社は正確な納入台数や前月比の比較を開示していない。小米のEV事業は、業界全体のマージンを圧迫する価格競争の中で収益性よりも市場シェアを優先しており、直近報告期間に4億5700万ドルの損失を計上している。
小米(1810.HK)にとって、3万台超の数量維持は固定費を吸収し、1台当たりの損失を縮小する上で極めて重要だ。同社のEV事業への野心は、スマートフォンおよびモノのインターネット(IoT)事業に成長のストーリーを加えたが、投資家は価格競争が同社のキャッシュポジションを侵食する前に、同事業が損益分岐点に達することができるかどうかを見守っている。BYDは5月に約33万台の乗用EVを納入しており、小米が埋めるべき規模の差が浮き彫りになっている。
小米は2024年3月、テスラ「モデル3」やBYD「シール」に対抗するスポーティーセダン「SU7」でEV市場に参入した。その後、北京工場での生産能力を拡大し、年産20万~30万台を目標としている。月間納入3万台超を持続できれば、小米は年間約36万台のEV生産軌道に乗ることになる。これはBYDの2025年の年間420万台には及ばないものの、中国のEVメーカーの上位10社に入る十分な数量だ。
価格競争の圧力
中国のEV市場では、BYD、テスラ、および十数社の国内スタートアップが市場シェアを争う中、過去18カ月間で平均販売価格が約15%下落している。小米のSU7の開始価格は21万5900元(約2万9800ドル)で、市場で最も競争の激しいセグメントに位置する。BYD「シール」は17万9800元から、テスラ「モデル3」は24万5900元からとなっている。この価格圧力により、小米は1台当たりの収益性を達成するために、当初計画よりも高い数量を達成する必要がある。
小米の株価は過去12カ月間で約40%上昇しており、その背景にはEV事業に対する楽観論がある。株価は予想株価収益率(PER)で約25倍で取引されており、従来の自動車メーカーよりはプレミアムだが、テクノロジー同業他社よりはディスカウントされている。納入台数の持続的な成長は強気のシナリオを支持するが、4億5700万ドルの四半期損失と、収益性達成への明確な時期の欠如が、ほとんどの機関投資家にとって同社株を「実績を示せ」の段階にとどめている。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。