- 日米の中央銀行会合を控え、ドル・円相場は過去に日本当局が介入した水準に近い159.2円を試す展開となっています。
- 日本銀行は政策金利を0.75%に据え置く見通しですが、インフレ見通しの上昇に伴い、円安への対応を求める圧力に直面しています。
- 米連邦準備制度(FRB)も金利据え置きの構えですが、当局者は2月下旬以降44%急騰した原油価格がインフレに与える影響を注視しています。
戻る

(Bloomberg) -- ドル・円相場は159.2円の水準を試す展開となっています。トレーダーは今週、戦争に起因するインフレへの対応に苦慮する日本銀行と米連邦準備制度(FRB)の両行による、極めて重要な金融政策決定を控えて身構えています。
ドバイのエクイティ・グループのチーフ・マーケット・ストラテジスト、ヌレルディン・アル・ハムーリ氏は「政策決定においては、現在、インフレ、成長、消費者マインドに直接影響を及ぼしているイラン情勢の方が重要だ」と指摘します。
東京市場で円は1ドル=159.50円近辺で推移しました。この水準は、過去に日本当局が介入に踏み切った水準です。円安の背景には原油価格の急騰があり、先週の北海ブレント原油は1バレル=105.30ドルで取引を終えました。一方、欧州やカナダの主要中央銀行も今週、金利を据え置く見通しです。
政策シグナルの乖離は重大な局面を迎えています。火曜日に発表される日銀の四半期展望レポートでは、物価見通しが大幅に引き上げられると予想されており、植田和男総裁には金利据え置きを正当化するよう求める圧力が強まっています。水曜日のFRBの決定は、エネルギー不足や地政学的緊張が米国のインフレにどう影響するかに左右されることになります。
日銀は2日間の会合で政策金利を0.75%に据え置くとの見方が大勢を占めており、決定後の植田総裁の記者会見に注目が集まっています。審議に詳しい関係者によると、最終決定は直前になされる見通しですが、最大の課題は、即時の利上げを確約することなく、円安を抑制する決意をいかに伝えるかという点にあります。
先週、片山さつき財務副大臣は、当局が円売りを招く投機的な動きに対し高い警戒感を持っていると警告しました。これは、2024年4月の記者会見で植田総裁のコメントがハト派的と受け止められ、通貨急落を招いて数日後の介入につながった苦い経験を踏まえたものです。日銀は二の舞を避けることに腐心しているとみられます。
太平洋の向こう側では、FRBも独自の課題に直面しています。金利据え置きが広く予想されているものの、中東での紛争継続により経済見通しは不透明です。2月28日にイランへの共同攻撃が開始されて以来、原油価格は44%以上上昇しており、ダラス連銀の調査では、混乱が長期化すれば米原油価格は1バレル=115ドルに達し、今年の総合インフレ率は4%を超える可能性があると示唆されています。
今回の会合は、ジェローム・パウエル氏にとってFRB議長としての最後の会合になる可能性もあり、後任候補とされるケビン・ウォーシュ氏に注目が集まっています。このリーダーシップの交代は、米国の金融政策の将来を分析しようとする投資家にとって、新たな不確実性をもたらしています。欧州中央銀行(ECB)、英中央銀行、カナダ中央銀行も今週、借入コストを据え置くとみられ、G7諸国の足並みが揃った慎重な姿勢を反映しています。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。