近く発表される4月の雇用統計は、強靭な米労働市場という見方を試すものとなり、予測では過去1年余りで最低の雇用増にとどまるとみられています。
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近く発表される4月の雇用統計は、強靭な米労働市場という見方を試すものとなり、予測では過去1年余りで最低の雇用増にとどまるとみられています。

(P1) 米労働市場は極めて重要な局面を迎えています。今週金曜日に発表される4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数がわずか5.7万人の純増にとどまり、大幅な減速が予想されています。これに先立つ労働省発表の3月のデータでは、求人数は687万件と安定していたものの、採用者数は2024年2月以来の好調な月となるなど、混合した内容となっていました。
(P2) ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は最近のデータに関する論評で、「経済が1バレル100ドル以上の原油価格、高インフレ、潜在的な金融引き締め、そしてアジアから始まる世界的な景気後退に適応するにつれ、この労働市場の様相は変わるだろう」と述べています。
(P3) 3月の求人労働異動調査(JOLTS)によると、求人数は2月の692万件からほぼ横ばいでしたが、総採用者数は555万人に改善しました。また、より多くの米国人が自発的に離職しており、これは自信の表れとされています。しかし、ファクトセットが調査した4月の予測値である5.7万件の雇用増は、3月に創出された17.8万件から急減速することを意味し、失業率は依然として低い水準ながら4.3%に上昇する見込みです。
(P4) 大幅な減速は連邦準備制度理事会(FRB)の金利経路に影響を与える可能性があり、経済の過熱に対する懸念を和らげるかもしれません。セントルイス連邦準備銀行によると、失業率の上昇を抑えるために必要な損益分岐点の雇用増は現在月間1.5万人程度と推定されており、インフレと戦う中央銀行にさらなる余裕を与えることになります。
求人数は2022年3月のピークである1,230万件から減少傾向にありますが、3月のJOLTSレポートの詳細は、ヘッドラインの数字が示唆するよりも微妙な現状を描いています。総採用者数の増加は注目に値し、運輸・倉庫・公共事業(+10.8万人)や専門・ビジネスサービス(+16.5万人)などのセクターで大幅な伸びが見られました。これは、新労働力への全体的な需要が冷え込んでいるにもかかわらず、企業が依然として積極的に採用を行っていることを示唆しています。
労働市場の逼迫度を示す重要な指標である失業者1人あたりの求人数倍率は、3月に0.95となりました。これはパンデミック後のピークから大幅に正常化していますが、労働市場の緩みの兆候を探る政策立案者にとっては依然として注視すべき点です。レイオフの緩やかな増加は、依然としてパンデミック前の水準を下回っているものの、長年の高金利と経済的不確実性を経て、労働市場がゆっくりと再均衡化していることを示しています。
現在、すべての注目は金曜日の4月雇用統計に集まっています。市場予想の5.7万人に近い数字であれば、労働市場が減速局面に入ったことが確認され、FRBのハト派化を期待する債券市場の押し上げ要因となる可能性があります。しかし、予想外に強い結果となれば、インフレ懸念が再燃して国債利回りが上昇し、株式市場への圧力となる恐れがあります。
経済学者は、ヘッドラインの非農業部門雇用者数(NFP)だけでなく、賃金の伸びや労働力率も注視し、全体像を把握しようとするでしょう。これらの要因の組み合わせは、6月に予定されている次回の政策決定会合におけるFRBの次の動きにとって極めて重要になります。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。