- ホワイトハウスは2027年度に42%増となる1.5兆ドルの国防予算案を提示。これに加え、イラン紛争向けに2000億ドルの補正予算を計上しています。
- 独立機関の分析によれば、この計画により米国の公的債務は2036年までにGDP比124%に達し、2028年までに第二次世界大戦後の過去最高記録を更新する見通しです。
- この予算の実現性は、CBOの見通し(1.8%)の約2倍となる3%のGDP成長率予測に依存しており、2.5兆ドルに及ぶ議論を呼ぶ非国防支出の削減を含んでいます。
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独立系機関の予測によると、ホワイトハウスが提案した2027年度の1.5兆ドルの国防予算案は、米国の債務対GDP比を第二次世界大戦後の最高水準以上に押し上げることになります。
「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」によれば、トランプ政権が2027年度に要求した42%増となる記録的な1.5兆ドルの国防支出により、米国の公的債務は2036年までに国内総生産(GDP)の124%にまで急増する見通しです。この予算には、現在進行中のイランとの紛争に向けた2000億ドルの補正予算が含まれていますが、超党派機関の予測のほぼ2倍に相当する楽観的な経済成長の前提に基づいています。
Pimcoの公共政策責任者であるリビー・カントリル氏は、最近の顧客向けメモの中で「イラン紛争における最大の敗者は米国の財政赤字になる可能性が高い」と指摘しました。同氏は、次年度に向けて提案された驚異的な増額に加え、弾薬を補充するための政府の補正予算要求を強調しました。
ホワイトハウス管理予算局(OMB)は、年率3%の実質GDP成長率を前提に予算格差が縮小すると予測しています。しかし、議会予算局(CBO)はより保守的な1.8%という成長予測を採用しています。CBOの前提に基づきCRFBが試算したところ、国の債務は2028年度までに第二次世界大戦後のピークであるGDP比106%を超え、その後10年間で124%まで上昇します。
この財政軌道は、米国を潜在的な債務危機の道へと導いています。国債の利払い費はすでに国防支出を上回っています。10年間で3.2兆ドルの新たな国防資金を賄うため、政府は保健福祉省の12%削減を含む2.5兆ドルの非国防裁量的支出の削減を提案しており、議会での激しい攻防が予想されます。
意見の相違の核心は、経済の潜在力に対する根本的に異なる見解にあります。OMBの予算概要では、10年物国債利回りが2029年までに3.3%に低下すると予測していますが、CBOは2031年までに4.4%に上昇すると見ています。この乖離は、蓄積された39兆ドルの債務を管理するコストに甚大な影響を及ぼします。政府案は今後10年間で国防予算に3.2兆ドルを追加する一方、提案されている非国防支出の削減はわずか2.5兆ドルにとどまっており、その大きな格差はさらなる借金によって賄われる可能性が高いのが現状です。
提案された1.5兆ドルの国防予算は、1.1兆ドルの基準線から急増しており、イランとの紛争コストが嵩み続ける中で提示されました。軍当局者が議会に報告したところによると、開戦から最初の1週間のコストは約113億ドルに達しました。ホワイトハウスは、当初国防総省が試算した2000億ドルを下回る800億〜1000億ドルの補正予算を今年度分として要求する見通しですが、2027年度案は大規模な軍備増強を優先しています。これには、2028年に初飛行を予定している空軍の次世代戦闘機「F-47」の継続開発費50億ドル以上が含まれています。
議員らは難色を示しています。民主党のマーク・ウォーナー上院議員は「あらゆる検討はする」としつつも、開戦当初から戦争の目的を明確にしていないとして現政権を批判しました。一部の共和党議員も、紛争が戦争権限法で定められた60日の期限を超えた場合、支持が弱まる可能性があることを示唆しています。保健福祉省の150億ドル削減など、国内プログラムに対する削減案は、民主党の激しい反発に直面するのは確実です。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。