主なポイント:
- 2月の英国GDPは0.5%増となり、市場予想の0.1%を大幅に上回った。これは2023年6月以来で最強の伸びとなる。
- 2月28日の中東紛争開始後、ブレント原油価格が30%急騰したことで、このポジティブなデータには暗雲が立ち込めている。
- 市場の期待は利下げから、上昇するインフレに対抗するための年内少なくとも1回の英中銀による利上げへとシフトした。
主なポイント:

(P1) 2月の英国経済は前月比0.5%拡大し、予想を上回るペースとなったが、現在はエネルギー価格の急騰による大きな逆風に直面している。英国家統計局が発表したこの成長率は、1月の0.1%から加速し、エコノミストのコンセンサス予想である0.1%増を上回った。
(P2) この統計は、エネルギーコストを急激に押し上げている中東の地政学的不安定性の本格的な影響が出る前のものだ。欧州大手銀行のシニアエコノミストは、「成長の強化は歓迎すべきことだが、それは一時的なものになるだろう。現在の英国の見通しにおいて、エネルギー価格ショックが支配的な要因となっている」と述べている。
(P3) 世界的な原油指標であるブレント原油は、2月28日に米イスラエルによるイラン攻撃が始まって以来、30%以上上昇した。このエネルギーコストの急激な上昇は、インフレ期待に直接反映されている。先月、政策金利を3.75%に据え置いた英国中央銀行(英中銀)は、現在、インフレ率が以前の予測を上回ると予想している。
(P4) この状況は中銀にとって難しい決断を迫っている。インフレに対抗するために利上げを余儀なくされる可能性があり、それは2月に見られた経済成長そのものを押しつぶす動きになりかねないからだ。紛争前、投資家は2026年に借入コストが緩和されると予想していたが、LSEGのデータによると期待は一転し、年内少なくとも1回の利上げが織り込まれている。
2023年6月以来最強の月間成長率となった2月のGDP数値は、サービス部門の回復が牽引した。しかし、この国内のポジティブな勢いは現在、危機にさらされている。中東での紛争が長引き、世界のエネルギー供給が寸断されればされるほど、製造コストから消費者の購買力に至るまで、英国経済への影響は甚大になるだろう。
英中銀の金融政策委員会は現在、後手に回った対応を余儀なくされている。次の決定では、上昇するインフレリスクと、最近回復の兆しを見せているものの依然として不安定な経済を支える必要性との間で、どのようにバランスを取るかが注視されることになる。英国が前回これほどの規模の外部価格ショックに直面した際は、長期にわたるスタグフレーションを招いた。政策立案者はこのシナリオを何としても避けたい考えだ。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。