イラン文明を壊滅させるとのドナルド・トランプ前大統領による威嚇的な発言を受け、原油価格は1バレル90ドルを突破しましたが、間一髪の外交介入により2週間の脆弱な停戦が合意されました。
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イラン文明を壊滅させるとのドナルド・トランプ前大統領による威嚇的な発言を受け、原油価格は1バレル90ドルを突破しましたが、間一髪の外交介入により2週間の脆弱な停戦が合意されました。

4月7日、ドナルド・トランプ氏がSNS上でイラン文明を壊滅させると脅告したことで、世界市場は混乱に陥り、原油価格は3%以上急騰しました。午前8時6分の最後通告に始まり、深夜の急転直下の方針転換で幕を閉じた12時間の危機は、パキスタン首相が2週間の停戦を提案し、米国とイラン双方がこれを受け入れたことでようやく沈静化しました。
「米国と国際社会が、イランがこの重要なエネルギーの要衝を無期限に支配する状況を受け入れられるとは到底思えない」と、新アメリカ安全保障センター(CNAS)のリチャード・フォンテイン最高経営責任者はニューヨーク・タイムズ紙に語りました。「それは開戦前よりも悪い結果になるだろう」
この日の市場のボラティリティは、ほぼ完全にトランプ氏のSNS投稿によって引き起こされました。最初の脅告後、WTI原油先物は急騰し、ナスダック100指数は一時1.5%下落しました。パキスタン政府のシェバズ・シャリフ首相が、トランプ氏に期限の延長を求めたと発表すると、市場は急激に反転。トランプ氏が2週間の休止に同意したことを受け、S&P 500とダウの先物は時間外取引で一時1.7%跳ね上がりました。
一時的な停戦により当面の軍事衝突は回避されたかもしれませんが、核心的な争点は未解決のままです。紛争の中心にあるのは、イランが保有する純度60%の濃縮ウラン約970ポンドの在庫です。交渉でこの在庫をイラン国外へ撤去できなければ、米国は毎日数十億ドルのコストがかかる長期紛争に引きずり込まれ、イランが核物質の97%を国外へ搬出した2015年の核合意よりも不利な結果を招く可能性があります。
危機は火曜日の朝、トランプ氏がトゥルース・ソーシャルに「今夜、すべての文明は滅び、二度と再建されることはないだろう」と投稿したことから始まりました。同氏はイランに対し、午後8時までに合意に応じるか、さもなくば報復を受けるかという期限を設定しました。この投稿を受けてイラン国内では即座に戦争準備が始まり、住民は物資の買いだめに走りました。30分以内にイラン当局は米交渉団との直接連絡を遮断し、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)の石油施設への報復攻撃を警告しました。
この脅告は米国の同盟国からも厳しい批判を浴びました。フランスのジャン=ノエル・バロ外相は「文明を消し去ることはできない」と述べ、通常はトランプ氏の緊密な同盟者であるイタリアのジョルジャ・メローニ首相も「イランの民間人が指導者の罪の代償を払うべきではない」と表明しました。
米軍の計画立案者は、イランのエネルギーインフラに対する潜在的な攻撃案を準備していましたが、標的一覧はトランプ氏の過激な発言から連想されるものより小規模で、民間人への被害を最小限に抑えるための正当な軍事目標に焦点が絞られていたと報じられています。
外交的な解決の糸口は午後に現れました。パキスタンのシャリフ首相が、イランによるホルムズ海峡の再開通と引き換えに、期限を2週間延長するよう公に呼びかけたのです。トランプ氏は期限切れのわずか90分前にこの提案を受け入れ、トゥルース・ソーシャルを通じて攻撃の中止を発表しました。
しかし、パキスタンを通じて伝えられたイラン側の恒久停戦の条件は、今後の険しい道を予感させます。10項目の計画では、米国に対し地域からの全軍撤退、すべての制裁解除、およびイランのウラン濃縮権の承認を求めています。
極めて重要な点として、この計画はホルムズ海峡の通航を「支配的地位」を持つイラン軍が「管理」・調整することを規定しています。また、CCTVの報道によれば、史上初めて海峡を通過する船舶から通航料を徴収し、その収益をイランの復興に充てるという条項も含まれています。フォンテイン氏はこの10項目の計画を「イランによる開戦前のウィッシュリスト(要望書)」と表現しました。
2週間の猶予期間が刻一刻と過ぎる中、5週間にわたる紛争の引き金となった根本的な問題は解決されないままです。交渉が停滞すれば、ワシントンとテヘランは再び中東における大規模な対立の瀬戸際に立たされる可能性があります。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。