ドナルド・トランプ大統領は、7週間にわたるイランとの戦争に「完全に」勝利したと宣言しましたが、この主張は自政権の行動や相次ぐ混乱した声明と矛盾しており、脆弱な停戦期限が迫る中で市場のボラティリティを高めています。
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ドナルド・トランプ大統領は、7週間にわたるイランとの戦争に「完全に」勝利したと宣言しましたが、この主張は自政権の行動や相次ぐ混乱した声明と矛盾しており、脆弱な停戦期限が迫る中で市場のボラティリティを高めています。

イラン戦争に関するホワイトハウスの矛盾したメッセージは、世界の市場に大きな不確実性をもたらしています。トランプ大統領の勝利宣言は、続く緊張状態や土壇場での交渉という現実と真っ向から対立しています。
「現在の米・イラン外交と過去の交渉との大きな違いの一つは、現政権、特に大統領が信頼できない語り手であるということです」と、元国家安全保障会議(NSC)高官のエリック・ブリュワー氏はSNSで述べました。「これほどまで率直で、誇張や捏造、あからさまな嘘をつく傾向がある米国大統領に対処しなければならなかったことは、かつてありませんでした。」
この認識の乖離は、先週特に顕著でした。トランプ氏が金曜日に、イランが「すべてに合意した」と主張し、一時的な市場の反発を招いた後、イラン当局は即座にこれを否定し、ホルムズ海峡を再び一時的に封鎖しました。大統領自身の発言も一貫性を欠いており、月曜日にはJD・ヴァンス副大統領が会談のためすでにパキスタンに滞在していると主張しましたが、その直後にヴァンス氏の車列がホワイトハウスで目撃されました。
2週間の停戦期限が週半ばに迫る中、外交の迷走は世界経済を不安に陥れています。合意に至らなければ、すでにガソリン価格を1ガロン4ドル以上に押し上げ、NBCニュース/サーベイモンキーの最新世論調査でトランプ氏の支持率を37%まで下落させた衝突が再燃する恐れがあります。大統領の混沌とした外交手法が平和合意を勝ち取れるのか、あるいは危険な軍事的エスカレーションを招くのか、今後数日間が正念場となります。
現政権の公式発表は、勝利宣言の後に即座に前言撤回が行われるというサイクルを繰り返しており、同盟国やアナリストを困惑させる「戦場の霧」を生み出しています。金曜日、トランプ氏は記者団に相次いで電話をかけ、核活動の「無期限」停止や代理勢力への支援終了を含む、イラン側からの重大な譲歩を得たと主張しました。
これに対し、イラン当局は速やかに否定しました。イランの国会議長であり主要交渉担当者のモハンマド・バーゲル・ガリバフ氏はSNSで、「米大統領は1時間に7つの主張をしたが、そのすべてが虚偽だった」と投稿しました。
これは大統領による不正確な発言のパターンの一環です。最近でも、教皇レオ14世がイランの核保有を支持したという主張(バチカンは否定)や、世界貿易を混乱させる能力を実証しているにもかかわらずイラン軍は「壊滅した」という主張などがありました。混乱は閣僚の動静にも及んでおり、トランプ氏は日曜日、ヴァンス副大統領が安全上の理由でパキスタンへの代表団を率いないと誤って述べましたが、直後に高官らがテレビ生放送でこれを否定しました。
一部のホワイトハウス関係者はCNNに対し、イラン側が弱腰に見えたり米国の要求に屈したと思われることを懸念しているため、大統領の公の発言がデリケートな交渉に悪影響を及ぼしていると内密に認めました。
停戦期限が迫る中、水曜日から第2ラウンドの米イラン協議が始まるとされるイスラマバードに注目が集まっています。交渉は双方のレッドラインを巡り、困難を極めています。米国はウラン濃縮の恒久的な凍結と、兵器級に近い既存の核材料の引き渡しを求めています。対してイランは、ホルムズ海峡の管理権と、米国による壊滅的な制裁の解除を譲りません。
第1ラウンドの交渉では、米国側が20年間の濃縮停止を提案しましたが、イラン側は5年間を提案して対抗しました。現在は10年間の停止という妥協案が浮上していると報じられています。合意の一環として、トランプ政権はテヘランが高濃縮ウランを引き渡すのと引き換えに、200億ドルのイラン資産の凍結を解除することも検討しています。
交渉の成否はヴァンス副大統領の双肩にかかっています。トランプ氏が頻繁に嘲笑してきたオバマ時代の核合意の二の舞と見なされることなく、大統領の最大限の要求を満たす合意を引き出さなければならないという、凄まじいプレッシャーに直面しています。
金融市場は、平和合意への期待から急騰した後、政権のナラティブが崩れるとともに反落するという乱高下を見せています。火曜朝の株価指数先物は交渉への楽観論の再燃により上昇しましたが、根強い不透明感が投資家心理の重石となっています。
セント・ジェームズ・プレイス(St. James’s Place)のチーフエコノミスト、ヘタル・メータ氏は「最近の反落にもかかわらず、米国株のバリュエーションは他地域や過去の歴史と比較して依然として割高に見える」と述べ、米国市場への投資判断を「アンダーウェイト」に据え置いています。
紛争は明確な勝者と敗者を生みました。国防関連銘柄は上昇しており、GCC(湾岸協力会議)が2,000発以上の飛翔体の迎撃に成功したことで、巨額の軍事支出の正当性が証明され、アラブ首長国連邦(UAE)のEDGEグループのような地域の防衛企業が活況を呈しています。逆に、紛争拡大のリスクはスタグフレーションの脅威をもたらしました。JPモルガンは最近、S&P 500の年末目標を7,600に引き上げましたが、紛争が迅速に解決されれば8,000に近づく可能性があると指摘しており、平和合意がもたらす巨大な経済的アップサイドを強調しています。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。