要点
- アナリストは、テンセントの第1四半期売上高が広告およびクラウドの好調により、中央値で前年同期比10.9%増の1,996億人民元になると予測しています。
- 非国際会計基準(Non-IFRS)の純利益は10.5%増の678億人民元に達する見込みですが、AI投資の拡大が営業利益率を圧迫すると見られています。
- 市場は、AI大規模言語モデル「混元(Hunyuan)」のアップデート、新作ゲームのリリース、および自社株買いによる株主還元策の見通しに注目しています。
要点

テンセント・ホールディングス(00700.HK)は、第1四半期の売上高が11%増加する見通しです。広告およびクラウド事業の成長が、利益率を圧迫しつつある人工知能(AI)への投資拡大を補う形となります。
モルガン・スタンレーのアナリストは最近のレポートで、「AI投資が利益率を圧迫し始めている」と指摘し、非国際会計基準(non-IFRS)の営業利益成長率が7.1%にとどまり、売上高成長率の9.8%を下回ると予測しています。
AASTOCKSがまとめた証券会社10社の予測中央値によると、テンセントの非国際会計基準(non-IFRS)純利益は前年同期比10.5%増の678億人民元に達する見込みです。3月31日に終了した四半期の売上高は、5月13日に予定されている決算発表を前に、10.9%増の1,996億人民元と見られています。
投資家は、決算説明会における経営陣のコメントに注目しています。特に、今年これまでに株価が約8%上昇した主要因である大規模言語モデル「混元(Hunyuan)」のコストと収益化のスケジュールが焦点となります。
広告部門は主要な成長エンジンとなる見通しです。UBSは、人気の短尺動画プラットフォーム「動画号(Video Accounts)」での広告表示回数の増加に支えられ、オンライン広告収入が前年同期比で18%増加し、同業他社を上回ると予測しています。モルガン・スタンレーとシティも同様の強さを見ており、広告技術の改善と広告主層の拡大を理由に、それぞれ19%と17%の広告収入増を予測しています。
この強さは、オンラインゲーム部門が比較対象となる前年実績が高かったことから減速に直面している中で極めて重要です。定番タイトルは安定しているものの、当四半期に主要な新作ゲームの発表がなかったことが成長を抑制すると見られています。
多くの投資家が注目するのは、テンセントのAI戦略が財務に与える影響です。これは、AI関連の設備投資の大幅増を発表した後、好決算にもかかわらず株価が下落した米メタ・プラットフォームズ(META)などの世界的なテック大手に共通する傾向です。
テンセントについては、成長加速の兆しを見せているクラウド事業の最新状況も焦点です。モルガン・スタンレーは、需要の拡大と大規模モデルAPIサービスの最近の値上げに助けられ、商業サービスの成長率が2025年第4四半期の22%から第1四半期には25%に上昇する可能性があると指摘しました。シティは、クラウド収入が25%増の125億人民元になると予測しています。
今回の決算は、ゲームの成長基盤が高い中で、テンセントの多額のAI支出に対する投資家の許容度を試すものとなります。市場は、広告とクラウドの好調さが収益性を大きく損なうことなくAIへの移行を支えられるかどうかの証拠を求めており、次の材料は第2四半期の業績ガイダンスとなるでしょう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を構成するものではありません。