主なポイント:
- Non-IFRSベースの純利益は前年同期比11%増となり、市場予想に一致しました。
- 売上高は9%増にとどまり、ゲーム部門の繰延収益の影響で予想を下回りました。
- 中金公司(CICC)は、AI投資は管理可能な範囲内であるとして「アウトパフォーム」評価と目標株価666香港ドルを維持しました。
主なポイント:

テンセント・ホールディングス(0700.HK)が発表した第1四半期の調整後利益は、予想通りの11%増となりましたが、売上高は9%増と予想を下回りました。これを受けてアナリストらは、同テック大手の多額のAI投資と、目先の成長の逆風を比較検討しています。
中国国際金融公司(CICC)のアナリストはリポートで、「中核事業の収益性は引き続き堅調であり、AI投資のための十分なキャッシュフローを支えるはずだ」と述べ、同社株の「アウトパフォーム」評価と666香港ドルの目標株価を維持しました。
深センに拠点を置く同社の非国際会計基準(non-IFRS)ベースの純利益は前年同期比で11%増加し、コンセンサス予想に一致しました。一方、売上高は9%増と、予想に届きませんでした。この未達は、ゲーム部門の繰延収益に起因しています。広告事業は明るい材料で、売上高は前年同期比20%急増し、クラウドおよび企業向けサービスを含む部門も20%成長しました。
このまちまちな結果は、アジア最大の企業である同社が直面している課題を浮き彫りにしています。それは、株主還元と、世界のAI競争を勝ち抜くための巨額支出のバランスを取ることです。投資家は、独自の「混元(Hunyuan)」モデルが「差別化されたエコシステム」を構築し、新たな収益に結びつくかどうかに注目しています。経営陣は、WeChatやQQの膨大なユーザーベースがAIエージェントにとって当然の優位性をもたらすと確信しています。
CICCは、旧正月の休暇時期が遅れたことで一部のゲーム売上高が第2四半期にずれ込んだと指摘し、同行は国内ゲーム売上高が第2四半期に12%成長すると予測しています。テンセントは依然として世界のゲーム業界における支配的な勢力であり、ネクソンの期待作『ARC Raiders』など、中国における主要な国際的タイトルのパブリッシャーを務めています。アルゴリズムの改善や動画広告に牽引された広告収入の20%という力強い成長は、一時的なゲーム事業の弱さを補う一助となりました。
テンセントの企業向けサービスおよびクラウド部門は、価格と数量の両面での増加から恩恵を受け、強い勢いを示しました。同社はAI分野に積極的に取り組んでおり、4月には大規模言語モデル「混元 3.0」のプレビュー版を公開しました。このモデルは、WeChatやQQを含む131の社内製品ですでに活用されています。CICCはこの投資を「積極的かつ管理可能」と表現し、競争上の障壁(モート)を築くための開発コストを維持できる財務体力が同社にあることを示唆しました。この動きは、テンセントなどの中国テック企業が、最先端モデルの開発に不可欠なエヌビディア(NVIDIA)製の高度なAIアクセラレータの購入を認められたとの報道の中で進められています。
今回の決算はテンセントの安定した収益性を裏付けるものでしたが、ゲーム売上高の回復を示すためには第2四半期の重要性がより高まっています。投資家は、混元AIモデルの収益化戦略やWeChatへの統合に関するさらなる詳細を、将来の成長に向けた主要な触媒として注視することになるでしょう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を構成するものではありません。