主なポイント:
- ソフトバンクが合弁会社「SB Neo」を設立、来年度より米国企業向けにAIクラウドサービスを提供開始。
- ネオクラウド事業により、ソフトバンク株式会社の年間営業利益は3〜4兆円(185〜250億ドル)に倍増する可能性。
- SB Neoは2030年までに10GWのデータセンター容量を目標とし、5,000億ドルのオハイオプロジェクトとOpenAIを潜在的顧客として位置づける。
主なポイント:

ソフトバンクは、その通信部門が米国企業へのAI向けコンピューティングパワーのレンタルにより、250億ドルの利益を生み出すエンジンになると賭けている。
ソフトバンクグループとその通信子会社は、米国企業にAIコンピューティングパワーをレンタルする合弁会社を設立する。これにより、日本のモバイルキャリアをクラウドインフラ市場の主要プレーヤーへと変貌させることを目指す。
「当社にとって、この米国での事業開始は第二の創業と位置付けています」と、ソフトバンク株式会社の宮川潤一社長はインタビューで語った。この新事業は「桁違いの規模」の利益を生み出す可能性があると述べている。
SB Neo(仮称)と名付けられた合弁会社は、ソフトバンク㈱が51%、ソフトバンクグループが49%を出資。2028年3月期より、ハイパースケーラーや米国の大企業向けにAIチップおよびクラウドサービスの提供を開始する。同社は2030年頃までに10ギガワットのデータセンター容量を目標としており、ソフトバンクグループが米国で既に開発を進めている10GW規模のエネルギー・AIインフラを活用する。
米国でのネオクラウド事業の展開により、ソフトバンク㈱の年間営業利益は現在の3〜4倍にあたる3兆〜4兆円(185億〜250億ドル)に拡大する可能性があると、同社の計画に詳しい関係者は述べている。これにより、長らく孫正義氏のベンチャー帝国のキャッシュカウとして機能してきた同事業が、AI時代の成長エンジンへと変貌することになる。
高性能グラフィックスプロセッシングチップをAI開発者にリースする専門インフラ事業者というネオクラウド市場へのソフトバンク参入は、コンピューティングパワーの需要が供給を上回る中で行われた。この分野はますます混雑している。CoreWeaveやNebius Groupが既にポジションを築いており、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google CloudもAIコンピューティングリソースへのアクセスを販売している。Meta Platformsも同様の事業参入計画を進めている。
電力が競争優位に
宮川氏は、電力調達をソフトバンクの主要な差別化要因として挙げた。同社はデータセンターに電力を供給するため、ガス火力発電所へのアクセスを確保している。これは、公益事業者がAIインフラによる急増する電力需要に対応するのに苦慮している中で、重要な優位性となる。ソフトバンクはオハイオ州で5,000億ドル規模のデータセンタープロジェクトを構想しており、これは10GWの容量で世界最大級の規模となる。また、北海道と堺市でもデータセンターキャンパスを建設中である。
この合弁事業には、OpenAIというアンカー顧客がつく可能性がある。ソフトバンクグループは10月までにAI企業OpenAIに総額約650億ドルを投資することを確約しており、これにより深い財務的連携が生まれ、コンピューティングパワー契約につながる可能性がある。
ソフトバンク㈱の株価は予想利益の約15倍で取引されており、これは米国のハイパースケーラーに対するディスカウントで、レガシーな通信事業プロファイルを反映している。ネオクラウド事業が3兆〜4兆円の利益目標を達成すれば、評価格差は大幅に縮小する可能性がある。ソフトバンクグループにとって、この合弁事業は、650億ドルのOpenAIコミットメントやオハイオのデータセンタープロジェクトを含む、より広範なAI戦略のためのキャプティブなインフラプラットフォームを提供するものとなる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。