トランプ大統領の「ディール(取引)の芸術」戦略はイラン問題でシステム的な失敗に直面しており、交渉の余地のない4月6日の期限は、地域紛争を世界的な経済危機へと突き落とす恐れがある。
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トランプ大統領の「ディール(取引)の芸術」戦略はイラン問題でシステム的な失敗に直面しており、交渉の余地のない4月6日の期限は、地域紛争を世界的な経済危機へと突き落とす恐れがある。

ドナルド・トランプ大統領が5週間にわたるイランとの戦争について矛盾した発言を行い、緊張緩和への希望が打ち消されたことを受け、木曜日の世界的な原油価格は7%以上急騰し、株価は下落した。世界的な指標であるブレント原油は7.4%上昇して1バレル108ドルを超え、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は7%上昇して107ドルに達した。
「彼がイランとの交渉を約束しても、彼らは単に彼を信じていない」と、ジョンズ・ホプキンス大学のイラン専門家バリ・ナスル氏は述べ、深刻な信頼の危機を強調した。「彼らは実際、彼の言うことには何の意味もないと考えている」。
リスクオフのセンチメントが株式市場を席巻し、アジア市場では韓国の総合株価指数(KOSPI)が4.5%安と下落を主導した。この動きは、トランプ氏がテレビ演説で、戦争は「終結に近づいている」と述べる一方で、「今後2〜3週間のうちにイランを極めて激しく叩く」とも脅した後に起きた。ドイツ銀行のノートによれば、この発言は「敵対行為を終わらせるための潜在的なタイムラインや条件に関する明確さ」を全く提供しなかったという。
市場の混乱は、トランプ氏が外交交渉の期限を4月6日に設定し、その後はイランのエネルギー・インフラへの攻撃を再開すると脅している中で発生した。テヘランが報復を誓い、戦略的なホルムズ海峡が事実上閉鎖される中、打開策が見つからない場合は、世界的なエネルギー価格が大幅かつ持続的に急騰するリスクがある。
交渉のレバレッジを作るために最大限の圧力をかけるという、1987年の著書で有名なトランプ大統領の看板戦略は、テヘランから公然と冷笑されている。イランの高官サイード・ジャリリ氏は、トランプ氏の変節する立場を「米国の段階的な撤退と、大統領の打ち砕かれた幻想のシグナル」と特徴づけた。
専門家によれば、この感情は、ワシントン自らが招いた根本的な信頼の崩壊を反映している。バリ・ナスル氏によれば、誠実な交渉が行われるはずだった時期に開始された以前の攻撃が、トランプ氏が交渉人として持ち得たあらゆる信頼性を破壊してしまったという。現在のテヘランの計算は、イランにとって意味のある条件での交渉を強いるために、米国に「十分な痛みとコスト」を負わせなければならないというものだと同氏は主張する。
「このような状況では『ディールの芸術』は機能しない。なぜなら、単に二者が座って利益を最大化するだけの問題ではないからだ」とプリンストン大学の政治史教授ジュリアン・ゼリザー氏は語る。「彼が期待していたことは、実際に起きたこととは大きく異なっている」。
トランプ政権は、世界の1日の石油消費量の約20%が通過するチョークポイントであるホルムズ海峡を封鎖するというイランの動きに不意を突かれた。この動きは、ホワイトハウスにとって即座かつ意図せぬ戦争目的、すなわち「海峡の再開」を生み出した。
しかし、この問題に関するトランプ氏のレトリックは不安定だ。海峡が再開されなければイランのインフラを破壊すると脅す一方で、今週には海峡の安全は米国の問題ではなく「誰か他の人の問題」であるとも示唆した。「米国はホルムズ海峡経由で石油をほとんど輸入しておらず、将来的にも輸入するつもりはない。我々には必要ない」と同氏は述べた。
この姿勢は、世界的に連結されたエネルギー市場の現実を無視している。米国は世界最大の産油国であるが、依然として特定のグレードの原油を輸入しており、世界的な価格ショックの影響を受けやすいままである[1]。「彼は気にしていないとか、誰か他の人の問題だと言うことはできるが、この戦争の大きな結末が、重要なエネルギーの要衝の支配権を深い敵対勢力に譲り渡すことだったということは、誰の目にも明らかになるだろう」と新米国安全保障センターの会長リチャード・フォンテーン氏は語った。
戦争による経済的なしっぺ返しは、国内で高まる政治的圧力を生み出している。11月の中間選挙を前にトランプ氏の支持率が低下する中、民主党は戦争が消費者物価に与える影響をめぐって政権を攻撃する準備を進めている。
「我々はイラン海軍を沈め、多くのミサイル発射台を破壊したが、ガソリン価格は1ガロン5ドルに向かっており、それは彼の政治的前途と、1年間彼に屈従してきた共和党員の政治的前途にとって致命的となるだろう」と、下院情報委員会の民主党トップ、ジム・ハイムズ議員は述べた。
「だから、彼は必死に出口を探しているのだと思う」とハイムズ氏は付け加えた。「問題は、明らかな出口が存在しないことだ」。ホワイトハウスは合意のための4月6日の期限を認めているが、テヘランは交渉が行われていることを否定し、代わりにワシントンが譲歩すべきだと主張している。
この記事は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスを構成するものではありません。