ネットフリックス株は6月22日に5.2%下落し、2024年10月以来の低水準となった。同社の年初来の下落基調がさらに続いており、投資家はコンテンツコストの上昇と競争圧力を懸念している。
ネットフリックス株は6月22日に5.2%下落し、2024年10月以来の低水準となった。同社の年初来の下落基調がさらに続いており、投資家はコンテンツコストの上昇と競争圧力を懸念している。

ネットフリックス(Netflix Inc.)株は6月22日に5.2%下落し、2024年10月以来の終値ベースでの安値をつけた。ストリーミング大手の株価は軟調な展開が続いている。
今回の下落は、エンターテインメント業界が制作経済の構造的転換に直面している状況で起きた。2022年のストリーミングバブル終焉以降、米国では7万3000件の制作関連雇用が失われ、その3分の2はロサンゼルス地域であると、Varietyの報道が伝えている。最大手コンテンツプロデューサーの一角であるネットフリックスは、人件費の上昇と、自社ストリーミングプラットフォームに積極投資する競合他社との激化する競争に直面している。
制作の経済性は、税制優遇措置をめぐって各州・各国が映画・テレビプロジェクトを争う中で変化している。ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は2025年5月、州の年間映画・テレビ税制優遇措置の上限を8億ドルに引き上げ、プログラムを2036年まで延長する予算案に署名したとIndieWireが報じた。Varietyの報道によると、英国は2024年だけで映画・テレビ助成金に22億ドルを支出し、米国からの制作移行を促すコスト優位性を生み出している。
カリフォルニア州はこれに対応し、2025年に自州のプログラムを7億5000万ドルに倍増させたが、プロデューサーのチャールズ・ローベン氏によれば、同州の優遇措置は依然として競争力が低く、「上限があり、俳優、脚本家、監督への報酬をカバーする『アバブ・ザ・ライン』(Above-the-Line)経費が含まれていない」とVarietyに語っている。上院議員アダム・シフ氏は、カナダの内容にほぼ相当する、人件費の15%を連邦政府が補助する制度を検討しているが、まだ法案として提出されていない。
ネットフリックスはコンテンツ戦略を調整することで、こうした動きに対応している。同社のシリーズ「ザ・ディプロマット(The Diplomat)」は、第2シーズンの制作をロンドンからブルックリンに移し、主演のケリー・ラッセルに対応した。これは、純粋なコスト計算を上回る人材主導の決定が行われることを示している。同社はまた、成熟市場での加入者成長が鈍化する中、収益成長を押し上げるため広告付き低価格プランを拡大している。
株価の20カ月ぶり安値への下落は、市場がストリーミング企業のバリュエーションを見直していることを示している。ネットフリックスは7月に2026年度第2四半期決算を発表する予定で、広告付きプランの加入者増加数と1ユーザーあたりの平均収益(ARPU)が注視されるとみられる。決算結果は、広告付きプランの成長とコンテンツ投資の組み合わせという同社の戦略が投資家の信頼回復につながるかどうかの重要な試金石となる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。