中東紛争の激化により原油価格が130ドルまで押し上げられ、日本の脆弱な経済回復が妨げられる恐れがあります。最新の貿易統計では堅調な輸出の伸びが示されているものの、警戒が必要です。
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中東紛争の激化により原油価格が130ドルまで押し上げられ、日本の脆弱な経済回復が妨げられる恐れがあります。最新の貿易統計では堅調な輸出の伸びが示されているものの、警戒が必要です。

3月の日本の貿易統計は驚くべき堅調さを示しましたが、データにはホルムズ海峡の封鎖による経済リスクの高まりが反映されていません。この封鎖により世界の原油価格は1バレル100ドルに向けて急騰しており、日本の景気回復を失速させかねないインフレの波を引き起こす恐れがあります。
「(日本)政府は原油の備蓄放出を開始し、ホルムズ海峡に依存しない代替調達ルートを確保したと主張していますが、封鎖が長期化すれば目に見える形で経済収縮を招く可能性が高いでしょう」と、農林中金総合研究所の南武志チーフエコノミストは指摘します。
その影響はすでにエネルギー市場に織り込まれつつあります。火曜日の時点で、6月限の北海ブレント原油先物は1バレル95.36ドル前後で取引され、ウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は89.40ドル付近で推移しました。今週初め、主要な輸送ルートが一時的に再開されたものの再び閉鎖に転じたことで、価格が急騰しました。国際エネルギー機関(IEA)は、現在の状況を1970年代のオイルショックを上回る、史上最大の供給途絶と呼んでいます。
この膠着状態は、輸入依存度の高い日本経済を危うい立場に追い込んでいます。シティのアナリストによる最悪のシナリオでは、供給途絶が継続した場合、原油価格は130ドル前後の水準を維持する可能性があり、インフレを煽り、火曜日の会合における日本銀行の次なる政策判断を複雑にすることになります。日銀は地政学的な影響を精査する間、政策金利を0.75%に据え置くとの見方が大勢を占めています。
シティによると、ホルムズ海峡は世界経済にとって極めて重要な動脈であり、毎日約1,300万バレルの原油と石油製品が通過しています。海峡をバイパスする既存のパイプラインは、限定的な緩和策にしかなりません。サウジアラビアの「東西パイプライン」は日量700万バレル(bpd)の容量があり、UAEのハブシャン・フジャイラ・パイプラインは最大180万bpdを輸送可能です。しかし、これらを合わせてもホルムズ海峡を流れる量を代替するには不十分であり、イラクからトルコへのキルクーク・ジェイハン・ルートなど他の地域パイプラインが追加できる量もわずかです。
たとえ短期間で解決したとしても、その影響は長く残るでしょう。シティの推定では、海峡が再開されるという最良のシナリオでさえ、世界的な原油在庫は約9億バレル減少し、6月末までに8年ぶりの低水準に達すると予測されています。中断がさらに1ヶ月続けば、損失の合計は13億バレルに達し、原油価格は110ドルまで押し上げられる可能性があります。
石油の大部分を中東に依存している日本にとって、今回の危機は多角的な脅威となります。最も直接的な影響は輸入コストの増大です。3月のデータでは輸出が11.7%増、輸入が10.9%増となりましたが、これらの数字には紛争による本格的な影響はまだ反映されていません。
エネルギーコストの上昇は企業利益を圧迫し、消費者心理を冷え込ませると予想されます。安全資産への逃避需要から米ドルが買われ、円安が進んでいることが、インフレによるショックに拍車をかけています。この力学は、脆弱な経済を支える必要性とインフレ加速のリスクとの間でバランスを取らざるを得ない日本銀行を難しい立場に追い込んでいます。エコノミストらは、エネルギー不足の影響が4月のデータでより鮮明になり、経済収縮の兆しが明らかになる可能性があると予測しています。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。