主なポイント:
- 木曜日、Intel株は6%下落し、AMDは5%値下がりするなど、半導体セクター全体に売りが広がった。
- iShares半導体ETFは6%下落。年初来の大幅上昇を受けた利益確定売りが半導体株を直撃した。
- HSBCはIntelの目標株価を200ドルに引き上げ、60%の上昇余地があると指摘。株価下落にもかかわらず強気見通しを維持した。
主なポイント:

半導体株は木曜日に急落。年初来の歴史的な上昇局面で利益を確定する動きが広がり、IntelとAMDがセクター全体の調整を主導。iShares半導体ETFは6%下落した。
Intel株は木曜日午後までに6%下落し119.83ドル、Advanced Micro Devices(AMD)は5%値下がりして511.67ドルとなった。半導体セクター全体に売りが広がり、時価総額は数百億ドル規模で消失。トレーダーは今年最大の好パフォーマンスセクターから資金を引き揚げている。
「これはパラボリックな上昇局面の後のバリュエーション調整であり、ファンダメンタルズの崩壊ではない」と、Edgenの半導体アナリスト、レイチェル・キム氏は指摘する。「Intelは年初来で200%以上、AMDは130%以上上昇している。この水準での1日の調整は、上昇の代償に過ぎない。」
iShares半導体ETF(SOXX)は6%下落し561.49ドル。半導体製造装置メーカー、メモリーメーカー、フォトニクス関連銘柄にも売りが波及した。Applied Optoelectronicsは17%急落、CoherentとLumentumはそれぞれ10%下落。Nvidiaは2%の小幅安となった。この売りは、弱い6月の雇用統計——米国経済の雇用者数はわずか5万7000人増で、コンセンサス予想の11万5000人を大きく下回った——を受けてダウ工業株30種平均が日中で新高値を更新し、利上げ観測が後退したタイミングで発生した。
今回の調整は、半導体史上有数の集中した上昇局面にブレーキをかけるものだ。Intelの年初来200%の上昇で約4700億ドルの時価総額が増加。一方、AMDは130%の上昇で評価額は9400億ドルを超えた。投資家の問いは、これらの上昇を牽引したAIインフラ投資のテーマが、バリュエーション調整に耐え得るかどうかである。
売りにもかかわらずアナリストの強気見通しは継続
木曜日の下落の皮肉は、取引開始前のニュースフローが圧倒的にポジティブだった点にある。HSBCはIntelの目標株価を100ドルから200ドルに引き上げ、Buy(買い)評価を維持。現行水準から60%の上昇余地があるとし、ファウンドリー事業は「無視するには惜しい」と評価した。Cantor FitzgeraldもIntelの目標株価を90ドルから150ドルに引き上げ、生成AI関連のインフラ構築が2029年までに業界全体の収益を約3兆ドルに押し上げるとの見通しを示した。
Intel FoundryがTesla、SpaceX、Apple、Alphabet傘下のGoogleと取引を進めているとの報道も浮上。GoogleのTPU受注の可能性も報じられている。ただし、ファウンドリー部門は2026年第1四半期に約24億ドルの営業損失を計上しており、CEOのリップ・ブー・タン氏はこれらの取引を収益に結びつけるまでには至っていない。
AMDについては、UBSがエージェンティックAI需要によりサーバーCPUの年間収益が2030年までに500億ドルに達する可能性があると予測し、目標株価670ドルを設定。木曜日の下落は、同社固有の材料というよりは連れ安の様相を呈している。
今後の注目ポイント
当面のカタリストは、7月23日に予定されるIntelの2026年第2四半期決算発表である。ファウンドリーの取引が収益に転換し始めているか、データセンター&AIセグメントが第1四半期の業績を積み上げられるかが焦点となる。セクター全体としては、今後数週間に発表されるメガキャップ・ハイテク企業の決算におけるハイパースケーラーの設備投資見通しが、AIチップ需要の次の判断材料となる。
調整後のIntel株は予想PER約35倍、AMDは約40倍と、依然としてプレミアム評価を維持しており、わずかな執行ミスも許容されない水準にある。両社を支える長期のAIインフラ投資テーマは依然として健在だが、木曜日の売りは、最も強力なストーリーでさえも定期的な価格調整が必要であることを示す警告となった。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。