Instacartは、10年分におよぶ食料品データを、献立作成、買い物カゴの構築、そして買い物客の忘れ物を予測する人工知能システムへと転換しています。
Instacartは2026年5月6日、10年間のユーザーデータを活用して混雑するオンライン食料品市場の競合他社に直接挑む、AI搭載のパーソナルショッパー「カート・アシスタント(Cart Assistant)」の試験運用開始を発表しました。
「私たちは、体験をよりパーソナライズされ直感的なものにするために、AIの活用をますます進めています」と、クリス・ロジャース最高経営責任者(CEO)は述べ、検索、節約情報の発見、AIによる代替品提案のアップグレードを強調しました。
この新しい対話型ショッピングツールは、現在米国顧客の約25%が利用可能で、ChatGPTやClaudeなどの外部プラットフォームと連携しています。この動きは、Maplebear Inc.(NASDAQ: CART)として運営される同社が、第1四半期の総取扱高(GTV)が前年同期比13%増の102.9億ドルに達したと報告した中で行われました。
AIの導入は、四半期売上高が14%増の10.2億ドルに達したことと相まって、顧客エンゲージメントを深め、売上高が16%増の2.86億ドルとなった高利益の広告事業を強化することを目指しています。
財務の強みがAI戦略を後押し
同社の堅調な財務業績は、新しいAI施策の強固な基盤となっています。Instacartは第1四半期のGAAP純利益を1.44億ドルと報告し、自社株買いの枠を10億ドル追加することを発表して投資家に自信を示しました。これを受けてCantor Fitzgeraldは、顧客向けのメモの中で、強力な実行力と戦略的進展を挙げ、同社の目標株価を47ドルから52ドルに引き上げました。
法人向け事業と広告の統合
AIの推進は消費者向けアプリにとどまりません。Instacartは、ALDIやCostcoなどのパートナー向け法人ソリューション「Storefront Pro」にAIを組み込んでおり、広告ネットワーク「Carrot Ads」のパートナー数は現在310社を超えています。ロジャース氏は、Storefront Proにアップグレードした小売業者はオンライン売上高が平均10ポイント向上しており、消費者向けマーケットプレイスを補完する強力なB2Bエコシステムが構築されていると指摘しました。
激化するAIショッピングの競争環境
Instacartは膨大なデータの優位性を活用していますが、この動きはMetaのような企業が独自のAIショッピングツールを開発しているという、業界全体の広範なトレンドも反映しています。大規模言語モデルと統合することで、Instacartは「顧客がいる場所ならどこにでも」存在することを目指し、この戦略を中抜きのリスクではなく、需要増加のチャネルとして位置づけています。10年間の購買データをリアルタイムのショッピングアシスタントに変換する同社の能力は、市場シェアを守る上で極めて重要になるでしょう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。