金は2カ月ぶりの低水準に下落。ドル高と債券利回りの上昇が、利回りを生まない金属への圧力を強めた。
金は2カ月ぶりの低水準に下落。ドル高と債券利回りの上昇が、利回りを生まない金属への圧力を強めた。

金は2カ月ぶりの低水準に下落。ドル高と債券利回りの上昇が、利回りを生まない金属への圧力を強めた。
金は1オンス当たり4,450.09ドルと、2カ月ぶりの安値に下落。ドル高と米国債利回りの上昇が重しとなり、連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のため利上げを行うとの観測が強まっている。
「最大の影響要因は引き続き中東だ。やや楽観的な見方も残っていたが、事態が長引くにつれてその楽観論も薄れつつある」と、Zaner Metalsの副社長兼シニア金属ストラテジスト、ピーター・グラント氏は述べた。
スポット金は1.3%下落し、1オンス当たり4,450.09ドルと、3月30日以来の低水準。一方、米金先物6月限は1.2%安の4,448.90ドル。2月下旬に始まった米国・イスラエルとイランの戦争により、ブレント原油は31%上昇。インフレ懸念が高まり、中央銀行が金融引き締めを強化するとの見方が強まっている。世界の石油の5分の1が通過するホルムズ海峡が事実上封鎖されたことで、供給懸念も一段と深刻化している。
FF金利先物によると、市場は年内にFRBが0.25ポイントの利上げを実施すると織り込んでいる。ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁は、中銀はインフレリスクの抑制に注力すべきだが、現行の政策金利をいつ変更できるかを予測するのは「時期尚早」と述べた。金はインフレヘッジとして機能する一方、高金利環境では利回りを生まないため苦戦する。
イラン停戦協議で一時的に下げ渋る
金は下げ幅を縮小する場面もあった。イラン国営テレビが、テヘランが米国との了解覚書に関する初期の非公式枠組み案を入手したと報じたためだ。提案では、イランは1カ月以内にホルムズ海峡での商業航行を戦前の水準に戻し、米国は軍事力の撤退と海上封鎖の解除を行うとされる。マルコ・ルビオ米国務長官は、紛争終結に向けた合意交渉には「数日」かかる可能性があると述べた。
しかしイランは火曜日、米国がホルムズ海峡付近の目標を攻撃したことで停戦に違反したと主張。終戦に向けた取り組みが複雑化する可能性がある。 tradersは長期化リスクと外交解決の見通しを天秤にかけており、不透明感が金の重しとなっている。
注目はPCEデータへ
投資家は今、木曜日に発表される4月の米個人消費支出(PCE)価格指数に注目し、金融政策の行方を探る。市場予想を上回る強い結果となれば、利上げ観測が強まり、金はさらに下落する可能性が高い。UBSは、金利上昇とドル高による持続的なリスクを理由に、金の年末目標価格を400ドル引き下げ、5,500ドルとした。
他の貴金属では、スポット銀は0.6%上昇し1オンス77.40ドル、プラチナは1,957.75ドルでほぼ横ばい、パラジウムは0.9%高の1,391.68ドルとなった。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。