連邦準備制度理事会(FRB)議長候補のケビン・ウォシュ氏は、緊迫した上院指名承認公聴会にて、中銀にはデジタル通貨を発行する権限がないと述べ、それを「誤った政策選択」であると断じた。
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連邦準備制度理事会(FRB)議長候補のケビン・ウォシュ氏は、緊迫した上院指名承認公聴会にて、中銀にはデジタル通貨を発行する権限がないと述べ、それを「誤った政策選択」であると断じた。

(ブルームバーグ)— ドナルド・トランプ氏によって米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名されたケビン・ウォシュ氏は、中銀には中央銀行デジタル通貨(CBDC)を創設する法的権限がなく、それを行うことは「誤った政策選択」になると断言した。上院銀行委員会での激しい指名承認公聴会で行われたこの発言は、米デジタルドル開発に対する重大な潜在的障壁となることを示唆している。
「連邦準備制度にはデジタル通貨を発行する権限はない」と、ウォシュ氏は火曜日の公聴会で述べた。同氏はさらに、この動きを不適切な政策判断であると特徴づけ、政府が管理するデジタル通貨に懐疑的な暗号資産(仮想通貨)推進派と足並みをそろえた。
CBDCに関するウォシュ氏のコメントは、同氏が波乱含みの承認プロセスを進める中で飛び出した。同氏の指名は現在、共和党のトム・ティリス上院議員によって阻止されている。ティリス氏は、司法省がジェローム・パウエル現FRB議長に対する物議を醸している調査を打ち切るまで、採決をブロックすると明言している [1, 4]。同時に、民主党は、公に利下げを要求してきたトランプ大統領からのウォシュ氏の政治的独立性を激しく追及している。
もし議長として承認されれば、米CBDCに対する同氏の決定的な反対姿勢は、中銀によるデジタル版ドルの長年にわたる研究と調査を停止させる可能性がある。このような動きは米国の金融の未来に深い影響を及ぼし、強力な政府公認の競合相手を回避できるビットコインのような分散型仮想通貨にとっては勝利と見なされる可能性がある。
4月21日の公聴会は、ウォシュ氏が直面している複数の政治的課題を浮き彫りにした。ティリス議員による手続き上の保留に加え、委員会の民主党議員からも強い反対の声が上がった。エリザベス・ウォーレン上院議員は、ウォシュ氏をトランプ氏の「操り人形」であると非難し、大統領の意向に沿うように金利政策を転換させたと指摘した [1]。
ウォシュ氏はこれらの主張に反論し、自身の独立性を主張した。「大統領が私に特定の金利決定を約束するよう求めたことは一度もなく、もし求められたとしても私は同意しなかっただろう」と、用意された発言原稿と公聴会の記録によればウォシュ氏は証言した [4]。同氏は、大統領の利下げ要求と、3.3%という高水準にとどまるインフレ率とのバランスを取るという困難な課題に直面している [4]。
CBDCの問題は、FRBの焦点をより絞り込むというウォシュ氏の広範なビジョンの一部である。同氏は、物価の安定と最大限の雇用という二つの責務を超えて中銀が逸脱することに対して、声を大にして批判してきた。用意された発言の中で、ウォシュ氏はFRBは「本分を守る」べきであり、気候変動や経済的包摂といった「財政・社会政策」への関与を避けるべきだと論じた [2]。
「低インフレはFRBの鎧であり、あらゆる批判からの極めて重要な防護である」とウォシュ氏は述べ、最近のインフレ急騰を、FRBの独立性に対する国民の信頼を損なう失敗であると位置づけた [2]。同氏は繰り返し、「インフレは選択の結果であり、FRBはその責任を負わなければならない」と述べている [2, 4]。
ウォシュ氏のCBDCへの反対は、デジタル資産業界にとって重要な進展である。同氏の立場は分散型仮想通貨の支持者からは歓迎されるかもしれないが、同時に、中銀の役割を新たなデジタル領域へ拡大することに懐疑的な有力な政策立案者による、長期的な規制上の逆風の可能性も示唆している。同氏が承認されれば、世界で最も影響力のある中央銀行のトップにデジタルドルの強力な反対者が就くことになる。
この記事は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスを構成するものではありません。