TL;DR: トランプ前大統領のイランに関する発言を受けて市場でリスク回避の動きが強まり、ドルが主要通貨に対して急伸、ユーロは数週間ぶりの安値を付けた。
- トランプ氏による対イラン行動の可能性を示唆する発言が、基軸通貨であるドルへの広範な買いを誘発した。
- ドル指数(DXY)は3週間ぶりに105.00台を回復し、金価格も0.8%上昇の1オンス2,340ドルとなる全面的なリスクオフの様相となった。
- 欧州の中東エネルギーへの依存度を背景に、ホルムズ海峡での供給途絶リスクがユーロの重石となっている。
TL;DR: トランプ前大統領のイランに関する発言を受けて市場でリスク回避の動きが強まり、ドルが主要通貨に対して急伸、ユーロは数週間ぶりの安値を付けた。

2026年4月2日、トランプ前大統領による対イラン行動の可能性を示唆する発言を受けてドルが全面高となり、ユーロ/ドルは節目となる1.1550を下回った。この動きは、中東における地政学リスクの高まりを受けた典型的な「有事のドル買い(安全資産への逃避)」を反映しており、世界最大の準備通貨であるドルにとって追い風となっている。
ラボバンクのシニア外汇戦略担当のジェーン・フォーリー氏は、「地政学的緊張の高まりは、ほぼ例外なく米国資産への買いを誘発し、ドルが最大の受益者となる。市場は紛争発生の確率をより高く織り込み始めており、その不確実性が通貨ボラティリティ全体に波及している」と述べた。
主要6通貨に対するドルの価値を示すドル指数(DXY)は0.5%超上昇し、3週間ぶりに105.00を上回る水準で取引された。ドルの独歩高は対ユーロに留まらず、英ポンドや日本円も売られた。もう一つの伝統的な安全資産である金も0.8%上昇し、1オンス2,340ドルに達しており、リスクオフ姿勢が市場全体に広がっていることを示している。
投資家にとっての懸念事項は、米イラン間の緊張がさらに激化した場合、市場の不安定な状態が長期化する可能性だ。ドル高は米国の輸出企業にとって逆風となり、新興国資産の重石にもなり得る。情勢は流動的であり、市場参加者はワシントンやテヘランからのさらなる進展や公式声明を注視している。
今回の発言は、各国の金利差に主眼を置いていた為替市場に、再び地政学リスク・プレミアムをもたらした。欧州は中東からのエネルギー輸入への依存度が高いため、ユーロ/ドルはこうした変化に特に敏感だ。重要拠点であるホルムズ海峡を通じた原油供給に支障が出れば、欧州経済に多大な悪影響を及ぼし、ユーロ安を一段と加速させる恐れがある。
米イラン間の緊張が前回大きく高まった2020年初頭には、ユーロ/ドルはわずか1週間で2%以上下落した。現時点ではそこまでの深刻さには至っていないものの、今回の市場の反応は、地政学的な出来事がいかに早く経済指標や中央銀行の政策をかき消してしまうかを証明している。市場の次の動きは、トランプ氏の発言に対するバイデン政権の公式な反応によって決まることになるだろう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。