主なポイント:
- EUR/USDは1.1385ドル付近で推移、弱気フラッグパターンが1.1366ドル超えの更なる下落を示唆
- パウエルFRB議長はシントラでタカ派的な政策スタンスを強調、NFPデータを前にドル買いを維持
- 年初来安値の1.1330ドルを下回れば、1.1200ドル台へ向けた売り加速の可能性
主なポイント:

ユーロは1.1400ドル付近の重要なサポートゾーンを試しており、4時間足チャートの弱気フラッグパターンが米雇用統計を控えて同通貨ペアに圧力をかけ続けている。
アジア時間木曜の取引でEUR/USDは1.1385ドルで推移し、6月中旬以降の価格動向を規定してきた上昇平行チャネルの下限である1.1366ドルをわずかに上回って踏みとどまっている。テクニカルアナリストが弱気継続シグナルと解釈するこのパターンは、年初来安値1.1330ドルからの足元の回復が、持続的な反転の始まりではなく、より広範な下降トレンドにおける調整的な動きであることを示唆している。
「急落後の弱気フラッグの形成は、パターンが解決した後にさらなる downside を示唆している」とForex.comの市場アナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は述べた。「FRBが引き続き物価安定を重視し、米国経済に大幅な減速の兆しがほとんど見られない限り、EUR/USDの上昇は引き続き売りを誘う可能性が高い。」
FXStreetのテクニカル分析によれば、42.5の相対力指数(RSI)とややマイナスのMACDは、短期的な弱気バイアスを強化している。1.1366ドルのチャネル下限を下回れば、2025年5月以来の最低水準である1.1335〜1.1330ドル圏への道が開かれる。上値の初期レジスタンスはチャネル上限の1.1451ドルで、その先は200期間指数平滑移動平均線が集まる1.1522ドル付近となる。
ドル全体の強さがユーロ下落の支配的な原動力となっている。米ドル指数(DXY)は水曜日に101.34を維持。クビン・パウエルFRB議長が欧州中央銀行(ECB)の年次シントラ会議で中央銀行のタカ派スタンスを再確認したことが背景にある。パウエル議長はFRBは「物価安定を使命とする機関」と述べ、先行きに関する指針を示さず、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で示したトーンを維持した。同会合で更新されたドットプロットは、より長期にわたって高水準の金利が続く経路を示唆していた。
コアPCEインフレ率は前年比3.4%と依然として高く、FRBの目標である2%を大きく上回っている。市場は今年少なくとも1回の利上げを織り込み始めており、最初の利上げは早ければ9月にも実施される可能性がある。ドルは円に対しても上昇を続け、162.85円付近の40年ぶりの高値に達しており、日本当局は介入の用意があると繰り返し表明している。
ユーロ圏のデータもこの構図を変えるには至っていない。6月の総合インフレ率は3.2%から2.8%に鈍化し、コアインフレ率もエネルギー価格の低下を背景に低下した。クリスティーヌ・ラガルドECB総裁は、中央銀行はインフレ高騰のピーク時ほど積極的である必要はないと示唆しているが、持続的な賃金圧力を背景に、政策担当者はなお勝利宣言に慎重な姿勢を崩していない。
EUR/USDにとって次の大きな試練は、木曜日に発表される米国の非農業部門雇用統計(NFP)となる。強い結果となれば、米国の雇用市場の回復力という見方が強まり、FRBの引き締め路線が維持されることで、ユーロは1.1366ドルを下回り、1.1300ドル台に向かう可能性がある。市場コンセンサスは、高金利にもかかわらず先月の雇用統計が継続的な雇用の勢いを示したことを受けて、今回も堅調な雇用統計を予想している。
同じく木曜日に発表されるISM製造業景況感指数も、米国経済の健全性に関する追加的な手がかりを提供する。製造業活動が拡大圏内またはその付近にとどまれば、経済の勢いが多くのエコノミストが年初に予想していた以上に強いという証拠がさらに積み上がり、ドルをさらに押し上げる要因となる。
ポジショニングの観点から見ると、1.1330ドルを下回ればEUR/USDの年初来安値を更新することになり、2025年初頭以来の水準となる1.1200ドル台への売り加速につながる可能性がある。逆に、弱い雇用統計によって利下げ観測が再燃すれば、ショートカバーによる上昇が1.1451ドルのレジスタンスを試す展開も考えられるが、1.1522ドルを回復するまでは、より広範なテクニカル構造は売り手に有利な状態が続く。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。