米国の卵生産大手3社が、記録的な高値期における価格操作を巡る反トラスト調査を解決するため、330万ドルの支払いと5300万個の卵の提供に合意した。
米国の卵生産大手3社が、記録的な高値期における価格操作を巡る反トラスト調査を解決するため、330万ドルの支払いと5300万個の卵の提供に合意した。

米国の主要卵生産大手3社は、小売価格が過去最高値を記録した時期に、各社が協調して価格を吊り上げたとして複数の州が進めた反トラスト調査を解決するため、330万ドルの支払いと5300万個の卵の提供に合意した。
「これらの企業は長年にわたり卵市場を操作し、食品店で消費者の負担となる価格を人為的に吊り上げていた」と、ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は声明で述べた。司法省と17州の連合が主導した調査によると、カルメイン・フーズ、バーソバ、ヒックマンズ・エッグ・ランチの3社は、全米の小売業者やフードサービスバイヤーが使用する日次の卵価格指数に影響を及ぼすよう協調していた。
量的に米国最大の卵生産者であるカルメイン・フーズは、金銭的和解金のうち150万ドルを負担し、3000万個の卵をフードバンクや慈善団体に寄付する。同社は不正行為を否定し、合意には「罰金や制裁は含まれていない」とし、自主的にコンプライアンス手続きを強化したと声明で述べた。バーソバとヒックマンズ・エッグ・ランチはコメント要請に即座に応じなかった。和解により、3社は協調的な価格設定行為を停止し、社内コンプライアンスプログラムを強化し、進行中の州の監視に協力することが求められる。
疑惑の仕組み
捜査当局によると、3社は長年にわたって協調し、小売業者、レストラン、食品流通業者が卸売価格を設定する際の基準であるアーナー・バリー卵価格指数に影響を及ぼしていたという。反トラスト調査によれば、この指数を人為的に押し上げることで、各社はサプライチェーン全体のコストを引き上げた。この疑惑の行為は、鳥インフルエンザの流行により産卵鶏の群れが減少し供給が逼迫したことで、米国の卵価格が記録的な水準に急騰した時期に発生した。
金銭的支払いと現物での卵寄付を組み合わせた和解の構造は、農業分野における反トラスト法執行の増加傾向を反映している。2023年には、鶏肉加工業者がレストラン運営企業や食料品チェーンによる価格固定訴訟を解決するため8500万ドルを支払っている。今回の卵事件は、バイデン政権による食品・農業市場の競争促進を目指す広範な取り組みの下での最初の主要な解決事例であり、これまでに牛肉処理業者の集中や養鶏農家の報酬を巡る訴訟が含まれている。
和解が消費者に与える影響
米農務省のデータによると、寄付される5300万個の卵は、年間約1000億個の米国産卵量の約0.2%に相当する。この寄付により低所得世帯向けのフードバンクの供給は増えるものの、市場全体に占める量が小さいことから、小売卵価格への影響はおそらく最小限にとどまる。卵価格は2025年のピークからは落ち着いているが、パンデミック前の水準と比較すると依然として高い水準にある。米農務省は、大玉卵1ダースの5月の平均価格を4.87ドルと報告しており、前年同期の6.23ドルからは低下したものの、2020年の平均2.04ドルの2倍以上となっている。
今回の案件は、少数の生産者が集中した市場を支配する場合に、農産物の価格形成がいかに協調的行為に対して脆弱であるかを浮き彫りにしている。企業の提出書類によると、カルメインだけでも米国シェル卵生産量の約20%を占めている。和解には責任の承認は含まれておらず、各社に継続的な罰金は科されていない。しかし、合意に基づき求められるコンプライアンス措置により、州の司法長官は監視期間中、価格設定慣行を監査する権限を得ることになる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。