S&P500種は9営業日連続の上昇がストップ。原油が97ドル超に急騰し、イラン情勢の緊迫化と長期金利の上昇が株式市場を圧迫した。
S&P500種は9営業日連続の上昇がストップ。原油が97ドル超に急騰し、イラン情勢の緊迫化と長期金利の上昇が株式市場を圧迫した。

ダウ工業株30種平均は620ドル(1.21%)安の5万0687.07ドルと、3カ月ぶりの大幅な下落を記録した。中東情勢の緊迫化が原油価格を押し上げ、米国債利回りが複数週間ぶりの高水準に達したことが背景にある。
「原油高、債券利回りの上昇、地政学的不確実性の組み合わせは、株式市場が短期的に吸収するのが難しい三重の逆風だ」とモルガン・スタンレーのチーフ・エクイティ・ストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は指摘した。
S&P500種は0.66%安の7559.82。9営業日連続で上昇し、連日で最高値更新を続けていた上昇局面に終止符が打たれた。ナスダック総合指数は0.87%安の2万6858.54、ラッセル2000種は1.29%安の2894.28。GICS(世界産業分類基準)の11セクター全てが下落し、一般消費財・サービスと不動産がそれぞれ1.5%超の下落と軟調だった。エネルギーは0.2%安と下落幅が最小で、原油価格の上昇が支えとなった。ウォール街の恐怖指数と呼ばれるVIXは1.27%上昇の15.97。依然として過去1年の平均水準を下回っている。
今回の売りは、3主要指数全てが5営業日連続で最高値引けを記録していた上昇基調を崩すものだ。投資家は今週末の雇用統計発表を前に、エネルギーコスト上昇とFRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締めスタンスの双方に経済が耐えられるかどうかを判断することになる。
ブレント原油先物は1.9%高の1バレル=97.81ドル、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は2.44%高の96.05ドル。イランは約2カ月続いた停戦合意後、最大規模の攻撃を実施した。米中央軍によれば、クウェートは弾道ミサイルと無人機による大規模攻撃にさらされた。同軍は、激しい交戦にもかかわらず脆(ぜい)弱な停戦は「継続中」だと述べた。米10年債利回りは4.493%と、前日引けの4.46%から上昇。ADP雇用統計で民間部門の雇用者数が予想を上回ったことで、FRBがより長期にわたり高金利を維持する必要があるとの見方が強まった。
ドルは上昇。DXY指数は0.34%高の96.13となり、海外売上高比率の高い多国籍企業に圧力を加えた。金は0.99%安の1オンス=4475.10ドル。ドル高が逃避需要を相殺した。ビットコインは2.82%安の6万5300.75ドル。ストラテジー(旧マイクロストラテジー)が2022年以来初めて暗号資産(仮想通貨)保有の一部を売却したことで、幅広いデジタル資産の売りを誘発した。
今回の売りは3つの要因が重なった——10年債利回りの3.3ベーシスポイント上昇、ブレント原油が4月以来初めて97ドルを突破、そしてペルシャ湾における米イラン間の軍事的緊張の再燃。ダウ平均の620ドル下落は、3月上旬以来の最大の一営業日での下落幅となった。当時は貿易政策を巡る不確実性が同様のリスク回避の動きを引き起こしていた。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。