ドル指数が1年超ぶりの高値に急伸。FRB当局者の半数近くが年内の追加利上げを見込んでいる。
ドル指数が1年超ぶりの高値に急伸。FRB当局者の半数近くが年内の追加利上げを見込んでいる。

ドル指数が1年超ぶりの高値に急伸。FRB当局者の半数近くが年内の追加利上げを見込んでいる。
米連邦準備制度理事会(FRB)は水曜日、政策金利を3.50%~3.75%に据え置いたが、当局者の半数近くが年末までに利上げを想定していることが明らかになり、ドルは急騰。1年超ぶりの高値を記録した。
「FRBのタカ派的な政策修正は、米ドルの強気相場突破を引き起こしかねない」と、三菱UFJフィナンシャル・グループのシニア通貨アナリスト、リー・ハードマン氏は指摘する。
ICE米ドル指数は木曜日に0.36%上昇し100.71に達し、2025年5月以来の高値を記録。前営業日には0.85%急騰しており、3カ月超で最大の単日上昇となった。ユーロは0.3%下落して1ドル=1.146ドル、英ポンドは0.54%下落して1ドル=1.322ドルと、いずれも2カ月超ぶりの安値となった。LSEGのデータによると、フェデラル・ファンド先物は10月までの利上げを完全に織り込み、小売売上高の強い数字がタカ派的な賭けをさらに強固なものにしている。
ドルの急騰は世界的な金融環境の引き締まりにつながり、新興国通貨やリスク資産に圧力をかけている。米国とイランが暫定和平協定に署名しホルムズ海峡が再開されたことで原油価格が下落しているにもかかわらず、この動きは続いている。次回9月のFOMC会合では、タカ派への転換が実際の利上げに結びつくかどうかが注目される。
今回の上昇は、年初に市場を支配していた緩和バイアスからの急激な転換を示している。新議長に就任したケビン・ウォーシュ氏は包括的な政策見直しに着手し、最新のドット・プロットでは19人の当局者のうち半数近くが2026年に追加利上げを予想。年初に市場が織り込んでいた3回の利下げ予想からの劇的なシフトである。
ドルの強さは、水曜日に署名された米イラン暫定合意による原油価格の低下にもかかわらず持続している。この合意はイラン戦争を終結させ、ホルムズ海峡を再開し、米国によるイラン石油制裁を解除するものだ。通常、原油価格の低下はドルへの逃避需要を減少させるが、今回は利上げ観測がその効果を圧倒している。
「米ドルは短期米国金利の急激な上方修正から支援を受けており、週末の米イラン合意発表による低下圧力を相殺して余りある」とハードマン氏は述べた。
クロスアセットへの波及
円はドル上昇の最大の影響を受け、1ドル=160.90円に下落。2024年7月以来の安値であり、4月30日の東京による介入後の上昇分をすべて帳消しにした。この再下落に対し、日本当局は即座に反応を示した。
「必要に応じて、随時、通貨動向に適切に対応する用意がある」と木原誠二官房長官は木曜日の記者会見で述べた。
リスクに敏感なオーストラリアドルも0.1%下落。イングランド銀行(BOE)は木曜日後半に政策金利を3.75%に据え置く見通しで、イラン停戦がインフレに与える影響を評価している。
光証券インターナショナルのグローバル市場・為替ストラテジスト、キミー・トン氏は、FRBの引き締めバイアスを踏まえ、ドル高を選好するセンチメントはホルムズ海峡の再開が確認されるまで継続するだろうと述べた。
ドル指数が100を超えて取引されたのは2025年5月以来で、その後新興国からの幅広い資金流出が発生した。この水準を持続的に上回れば、特にドル安に依存してきたキャリートレードにおいて、さらなるポジション調整を引き起こす可能性がある。CMEフェドウォッチ・ツールは、市場の10月利上げ予想が今後数週間で維持されるか、あるいは強まるかの重要な指標となるだろう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。