ベッセント財務長官は、利下げ局面においてもドルは強い状態を維持できると述べ、市場がよりハト派的なFRBを織り込む中でも、政権のドル高政策へのコミットメントを示した。
ベッセント財務長官は、利下げ局面においてもドルは強い状態を維持できると述べ、市場がよりハト派的なFRBを織り込む中でも、政権のドル高政策へのコミットメントを示した。

ドルが1年超ぶりの高値に急上昇した。ベッセント米財務長官が、2026年下半期にはインフレなき経済加速を見通すとしながらも、政権としてドル高の維持に「熱心」だと表明したことが背景にある。
「利下げ局面においてもドルは強い状態を維持できる」とベッセント氏は述べ、ドル高政策への政権のコミットメントを改めて強調。「われわれはドル高を維持するための行動を取ることに熱心だ」と語った。
ブルームバーグ・ドル指数は0.36%上昇し101.37。2025年5月以来の高水準となった。ユーロは0.44%下落して1ドル=1.1377ドル、英ポンドは0.36%下落して1ドル=1.3199ドル。対円ではドルが161.55円に上昇し、1986年以来の円安水準となる161.96円に接近している。
ベッセント氏の発言は、市場がウォーシュ新FRB議長の下でよりタカ派的なFRBを織り込み始める中で行われた。CMEフェドウォッチのデータによると、7月会合での25ベーシスポイントの利上げ確率は34.2%と、1週間前の8.5%から上昇している。財務省のドル高スタンスと市場の金利見通しの再評価との間の緊張は、今後数カ月のドルの重要な試練となる。
ベッセント氏は、米国経済は2026年下半期にインフレを押し上げることなく加速すると予想しており、この見通しはより緊縮的な金融政策にシフトしつつある市場の織り込みとは乖離している。フェデラル・ファンド金利は現在5.25%〜5.5%で、2023年7月から据え置かれており、FRBは6月会合で金利を据え置いた。
ベッセント氏の見通しと市場の期待との乖離は顕著だ。財務長官が利下げ環境を想定する一方で、先物市場では9月会合での利上げ確率を69.5%と織り込んでおり、1週間前の29.1%から上昇している。FRBが同様にタカ派的な姿勢を示したのは2023年上半期が最後で、その後の2023年7月会合での25ベーシスポイントの利上げを受け、ドル指数は翌月に2.3%上昇した。
「現在のドルの強さは、結局のところ、依然としてタカ派的な姿勢に起因している。FF金利先物を見れば、FRBに対する期待はここしばらくで最も高い水準にある」と、米コネティカット州スタンフォードのマネーコープでトレーディングおよびストラクチャード・プロダクツ責任者を務めるユージン・エプスタイン氏は指摘する。「結局のところ、金利に帰着する。金利市場は、以前よりもはるかに近い期間でのタカ派姿勢を予想している」
シカゴ連銀のグールズビー総裁は24日、労働市場が安定していることから、高関税の影響が薄れ中東紛争が解決されるにつれて、高止まりするインフレが持続するのか、それとも後退するのかを判断することに注力していると述べた。ユーロ圏のインフレはECBの目標である2%を当面上回る可能性があると、ECBのレーン専務理事は述べたが、そのショックには測定された政策対応のみが必要だと主張した。
米国とユーロ圏の金利差は拡大しており、ソシエテ・ジェネラルのチーフFXストラテジスト、キット・ジャックス氏は、これによりユーロが1.14ドルを突破する可能性があると指摘。「今回は、米国がユーロ圏よりも強い経済を持ち、金利市場も今後数カ月でECBの引き締めよりもFRBの引き締めをより多く織り込んでいる」とジャックス氏はメモで述べた。
日本の馬淵澄夫財務相は24日夜、ベッセント氏とオンライン会合を開き、歴史的な円安について協議したとロイター通信が関係筋の話として報じた。急激な為替変動への懸念が高まる中、日本の当局は介入の可能性について市場に推測をさせており、明確なシグナルがないことは、コミュニケーション戦術の変化を示唆している。
ドル高スタンスは為替市場を超えた影響を及ぼす。ドルの持続的な上昇は、新興国通貨に圧力をかけ、多国籍企業の収益を圧迫し、ドル建ての商品価格の重しとなる。ベッセント氏の予想するインフレなき成長が実現すれば、ドルとリスク資産の両方を同時に支える rare な組み合わせとなる可能性がある。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。