Key Takeaways
- DBS銀行が、超高層ビル「ジ・センター(中環中心)」のオフィスフロア6層を25億香港ドル超で買収したとの噂が流れています。
- 今年最大規模となるこの取引により、DBSは同ビルの計14フロアを保有する主要オーナーとなります。
- 売り手は世茂集団(シマオ・グループ)の創業者とされており、業界全体の財務ストレスの中で流動性を確保する狙いがあると見られます。
Key Takeaways

香港における今年最大の商業不動産取引として、DBS銀行が超高層ビル「ジ・センター(中環中心)」のオフィスフロア6層を25億香港ドル超で追加取得したと報じられています。これは、同行が香港市場に長期的にコミットする強い姿勢を示したものです。
この取引は市場関係者によって最初に報じられたもので、資金繰り悪化に直面している不動産開発大手、世茂集団(SHIMAO GROUP, 00813.HK)の創業者である許栄茂氏に関連する法人から、約15万平方フィートを取得する内容です。
取引対象には、31階、32階, 36階、37階、76階の全フロアと、56階の一部が含まれるとされています。買収が確定すれば、DBSの同ビル(73階建て)における保有床数は計14フロア(約34万平方フィート)に拡大し、同シンガポール系銀行は主要オーナーの一角となります。
今回の動きは、大きな圧力にさらされてきた商業不動産市場にとって強気の指標と見なされており、投資心理を改善させる可能性があります。世茂集団にとっては、創業者による資産売却が、中国の不動産セクター全体が深刻な不況に陥る中での重要な流動性供給につながります。
この取引は、香港のオフィス空室率が上昇し、商業不動産価値が下落している広範な市場トレンドとは対照的です。報じられた価格は相当な規模ですが、キャップレート(還元利回り)などの詳細は公表されていないため、今後精査されることになるでしょう。堅調な評価額であればプライムオフィス資産の底打ちを示唆しますが、割引価格であれば市場のストレスが継続していることを浮き彫りにします。
世茂集団の創業者による売却は、中国の不動産開発業者が直面している流動性の課題も裏付けています。多くの業者が債務履行のために個人資産や法人資産の売却を余儀なくされており、この傾向は香港や中国本土の主要物件の所有構造を塗り替えつつあります。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。