主なポイント
- サークル社(CRCL)の株価は、取締役のミシェル・バーンズ氏が5月11日の決算発表の数日前に11,666株を売却したことを受け、7.8%安の112.28ドルに下落しました。
- 今回の売却により弱気心理が強まっており、空売り残高は浮動株の12.2%に達し、アナリストの半数がCRCLの格付けを「ホールド」以下としています。
- 強気派は、ステーブルコインの取引量で64%のシェアを占めるUSDCの成長と、CLARITY法による規制の明確化を長期的なプラス要因として挙げています。
主なポイント

サークル・インターネット・グループ(NYSE:CRCL)の株価は、同社の第1四半期決算発表予定日のわずか4日前に、長年取締役を務める人物が11,666株を売却したことが5月7日の報告で明らかになり、7.8%安の112.28ドルに下落しました。
2013年から取締役を務めるミシェル・バーンズ氏によるこの売却は、規制当局への提出書類で開示されました。5月11日の決算報告を前に、投資家が同社の成長ストーリーと弱気シグナルを天秤にかける中、この売却のタイミングが注目を集めています。
今回の下落により直近の株価変動が拡大し、現在は節目となる120ドルを下回る水準で取引されています。この売却は、一部の市場参加者の間で懐疑的な見方が強まる中で行われました。シェーファーズ・インベストメント・リサーチのデータによると、空売り残高は直近2回の報告期間で22.4%増加し、現在は浮動株の12.2%を占めています。さらに、同社をカバーするアナリスト24人のうち12人が、格付けを「ホールド」以下としています。
内部関係者による売却を受け、投資家が同社の高いバリュエーションの妥当性を確認しようとする中、5月11日の決算発表への注目が高まっています。強気派は、収益の大半を占めるUSDCの流通額が堅調に推移することで、株価の短期的な圧力や99.8倍という高い予想PER(株価収益率)への懸念を払拭することを期待しています。
株価は下落したものの、サークル社の基盤となるビジネス指標は堅調さを示しています。みずほ銀行の分析によると、米ドルと連動する暗号資産である同社のステーブルコイン「USDC」は、2026年年初来の調整後取引高で2.2兆ドルを記録し、競合するテザー社の「USDT」に対して約64%の市場シェアを獲得しました。これは、USDCの供給量が前年同期比72%増の753億ドルに達した第4四半期に続く勢いです。
また、ワシントンからも大きな後押しがありました。「デジタル資産市場CLARITY法」に関する超党派の妥協案により、プラットフォームがステーブルコインに対して活動に応じた報酬を提供し続けることが可能になりました。強気派は、この規制の明確化と実経済でのUSDCの優位性が相まって、同社のArcブロックチェーンやその他のプラットフォームサービスへの巨額投資を正当化する長期的な追い風になると主張しています。
一方、弱気派の主張はバリュエーションに集中しています。投資支出のピークにより、2026年の正規化EPS(1株当たり利益)は49%減少すると予測されており、99.8倍というNTM PER(次期12ヶ月予測PER)を維持するには完璧な事業遂行が求められます。ウォール街のアナリストによる平均目標株価129.75ドルは、現在の価格からの短期的な上昇余地が限られていることを示唆しており、長期的なプラットフォーム普及に基づき500ドル以上への道筋を描くバリュエーションモデルとは対照的です。次回の決算報告は重要な試金石となります。USDCの流通額が800億ドルを超えれば強気ケースが支持されますが、750億ドルを下回れば弱気派を勢いづかせることになるでしょう。
この記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。