重要なポイント
- 中国の3月の天然ガス輸入量は前年比約11%減少し、数年ぶりの低水準となった一方、原油輸入も2.8%減少しました。
- エネルギー危機の中、第1四半期の電気自動車(EV)輸出は77.5%急増し、リチウムイオン電池の輸出も50%以上増加しました。
- 税関データによると、ホルムズ海峡における地政学的な混乱が、貿易動向の二極化を招く主な要因となっています。
重要なポイント

中国の3月の貿易データは、地政学リスクを背景とした明暗を鮮明にしました。天然ガスの輸入が約11%減少し3年ぶりの低水準となった一方で、第1四半期の電気自動車(EV)輸出は77.5%急増しました。4月14日に税関総署が発表したこれらの数字は、ホルムズ海峡の封鎖が化石燃料貿易を停滞させる一方で、世界的なクリーンエネルギーへの移行を加速させている実態を浮き彫りにしています。
ボルテクサ(Vortexa)のアナリスト、エマ・リー氏は「ホルムズ海峡の供給混乱は、3月の輸入にはまだ実質的な影響を与えていない」と述べ、中東からの貨物の積み込み時間を考慮すると、本格的な影響は4月のデータに現れる可能性が高いと指摘しました。
エネルギー輸入の落ち込みは深刻です。天然ガスの輸入は前年同月比で約11%減の818万トンとなり、2022年10月以来の低水準を記録しました。原油輸入も2.8%減の4998万トンに減少。海上輸送による液化天然ガス(LNG)の減少はさらに顕著で、船舶追跡データによると22%減の374万トンにまで落ち込みました。対照的に、第1四半期の電気自動車とリチウム電池の輸出は、それぞれ77.5%増と50.4%増を記録しました。
このデータは、地政学的な不安定さによって世界のエネルギー転換が加速していることを示しています。この傾向は中国の再生可能エネルギーセクターにとって強気材料ですが、化石燃料に依存する産業にとっては、持続的なインフレとサプライチェーンのリスクを意味します。ライスタッド・エナジー(Rystad Energy)は、4月の中国の原油輸入が日量200万バレルという大幅な不足に陥ると予測しており、エネルギー供給への圧力はさらに強まる見通しです。
グリーン輸出の急増に加え、ハイテク製品も好調でした。3月の集積回路(IC)の輸出額は84.9%増となり、1〜2月期の72.6%増からさらに加速しました。これは中国技術に対する外部需要が旺盛であることを示唆しており、エネルギー関連貿易の低迷を一部相殺する緩衝材となっています。この傾向は韓国のデータによっても裏付けられており、3月の対中半導体出荷額は151.4%という爆発的な伸びを記録し、AI産業からの強力な需要を反映しました。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。