原油価格は月曜日、トランプ氏の停戦推進とイスラエルのレバノンでの地上作戦拡大が衝突し、2日間の上昇から反落した。
原油価格は月曜日、トランプ氏の停戦推進とイスラエルのレバノンでの地上作戦拡大が衝突し、2日間の上昇から反落した。

ブレント原油は月曜日、ドナルド・トランプ前米大統領がイスラエルとヒズボラの停戦を仲介する動きを見せたことで、1バレル=91ドル近辺に下落した。金曜日のレバノン地上作戦開始で価格が3週間ぶりの高値に押し上げられた2.3%の上昇分が相殺されつつある。
「原油に織り込まれたリスクプレミアムは、停戦合意が実現すれば急速に剥落する可能性があるが、現在の地上作戦の規模を考慮すると、合意への道筋は極めて不透明だ」とゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)のアナリストは指摘する。同行は第4四半期のブレント原油予想を1バレル=90ドル、WTIを83ドルで維持し、見通しを「双方向性」と表現した。
ブレント原油は6月1日(月曜日)、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が部隊にレバノン深部への進攻を命じ、「IDFに対し作戦拡大を指示した」と述べたことを受け、1バレル当たり2.07ドル(2.27%)上昇し93.19ドルで取引を終えた。WTIは2.37ドル(2.71%)高の89.73ドルで引けた。この上昇は、米国とイランが停戦延長に近づいているとの見方からブレントが1.8%、WTIが1.7%それぞれ下落した金曜日の値動きを反転させるものだった。
地上での戦闘拡大と外交的出口戦略という対立する二つのシナリオが、原油を相反する力の狭間で揺さぶっている。停戦が実現すれば、過去1カ月間ブレントを85ドル以上に維持してきた地政学的リスクプレミアムが除去され、価格はゴールドマンの90ドル目標を下回る可能性がある。しかし、協議が決裂すれば、ブレントは95ドル方向に押し上げられる可能性があり、特に紛争が世界の原油の約20%が通過するホルムズ海峡付近の供給経路を混乱させた場合、そのリスクは高まる。
4月に宣言された停戦以降で最も大規模な地上侵攻となった今回のイスラエル軍の作戦は、米国が仲介した停戦合意後初めての本格的な軍事行動となる。ネタニヤフ首相の作戦拡大決定は、外交努力が続く中で行われ、ワシントンとテヘランの間で新たな枠組みを交渉しようとするトランプ氏の取り組みを複雑化させている。金曜日にワシントンで行われた米国仲介のイスラエル・レバノン協議は、首相の声明発表前に緊張緩和への期待を高めていた。
ゴールドマンの双方向リスク評価は、石油市場における対立する力を捉えている。供給面では、イランの生産や湾岸の航路を脅かす戦闘拡大が発生した場合、原油価格に1バレル当たり5〜7ドルのプレミアムが急激に追加される可能性がある。需要面では、中国と西欧の4月の石油小売販売データの弱さが、同社の既に抑制的な需要予測に対し、合わせて日量約200万バレルの下振れリスクを示唆していると同行は試算した。中国の原油輸入は4月に前年同月比3.2%減少し、欧州のディーゼル消費も産業活動の鈍化に伴い減少した。
クロスアセットの反応は不確実性を反映した。米ドル指数は投資家の安全資産逃避を受けやや上昇し、金は1オンス=2,350ドル近辺で推移した。アジア株は総じて下落し、日本の日経平均は0.8%安、香港のハンセン指数は1.2%安で引けた。欧州株はAI関連株の上昇に支えられて寄り付き上昇したが、エネルギーセクターは停戦ニュースが原油を圧迫したためアンダーパフォームした。
前回の中東大規模停戦が崩壊した2026年4月のイスラエル・レバノン停戦時には、ブレント原油は翌営業日に4.2%急騰し、トレーダーが供給リスクを再評価した。今回の局面はそのパターンを反映しているが、重要な違いは、停戦交渉に元米大統領が積極的に関与している点であり、4月には存在しなかった外交的変数が導入されている。トランプ氏が最初の4月停戦を仲介した実績は、市場参加者の間で今回の取り組みに一定の信頼性を与えているものの、現行作戦の拡大された範囲がリスクを高めている。
トランプ氏の仲介が成功すれば、ブレントは最新のエスカレーション前の水準である1バレル=85ドルを試す可能性がある。協議が失敗し、イスラエルがレバノンへの進攻を深めた場合、ゴールドマンの90ドル予想は低すぎることが判明し、ブレントは短期的に95〜97ドルを試す可能性がある。向こう48時間の外交シグナルが方向性を決定づけるため、トレーダーはホワイトハウスまたはイスラエル首相府からの声明を注視している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。