主なポイント:
- USD/JPYは161.50近辺で推移、日銀の介入警戒感が162超えを抑制。
- 米FRBと日銀の金利差500ベーシスポイントが円に構造的な下落圧力。
- 次なる材料は日銀7月会合、理事会メンバーは追加利上げの是非で見解が二分。
主なポイント:

円はドルに対して40年ぶりの安値近辺で推移しており、日本当局がいつでも介入に踏み切る用意があるとの姿勢を示すなか、市場関係者は神経をとがらせている。
日銀の介入警告によりUSD/JPYは161.50近辺の狭いレンジに抑えられている。円は40年ぶりの水準をうかがい、トレーダーは東京の動きに備えている。同ペアは水曜日に161.55で取引され、前回日本財務省が公式警告を発した160.90〜161.95のレジスタンスゾーンに張り付いている。
「市場はにらみ合いの状態にある。当局は160〜162近辺に線引きをしたが、実際の介入がなければ、金利差による根本的な圧力がUSD/JPYを押し上げ続ける」と、三井住友信託銀行ニューヨークのトレーダー、山本壮氏は述べた。
円は今年、対ドルで10%以上下落している。FRBの政策金利が5%を超えているのに対し、日銀の金利はゼロ近辺にとどまっており、その差が背景にある。DXYドル指数は水曜日に101.46と13カ月ぶりの高値近辺で推移。市場は7月と9月のFRB利上げ確率をより高く織り込んでいる。ユーロもドル高の影響を受け、EUR/USDは年初来安値の1.1350近辺にある。
もしUSD/JPYが162を突破すれば、日銀の介入確率は急激に高まる。介入が実行されれば、数時間以内に突然3%〜5%の円高が進み、数千億ドル規模のキャリートレードが清算される可能性がある。次なる主要な材料は7月下旬の日銀金融政策決定会合だ。6月会合の主な意見では、理事会メンバーの過半数がさらなる利上げを支持している。
円安の最大の要因は、日本と米国の金利差にある。FRBは4会合連続で政策金利を3.50%〜3.75%に据え置いている一方、日銀は今年初めに広く予想されていた利上げを実施したものの、金利はゼロ近辺にとどまっている。この500ベーシスポイント超の金利差により、ドル建て資産は構造的に魅力的であり、円は持続的な売り圧力にさらされている。
日本の勝又幸子財務大臣と米国のスコット・ベッセント財務長官は最近、外国為替の協調について協議しており、ワシントンが東京の円買い介入に対してより許容的になる可能性があるとの見方を強めている。林官房長官は、過度な為替変動が生じた場合、当局は適切な措置を講じると改めて述べた。
日本が前回為替市場に介入したのは2022年で、USD/JPYが152に接近した際、約600億ドルを投じて円を支えた。現在は同ペアがその水準を上回って取引されていることから、トレーダーは今回の介入はさらに大規模になると予想している。
日銀の6月会合の主な意見では、理事会メンバーの過半数が利上げを支持し、インフレリスクは拡大しており、基調的な物価圧力は持続的に2%目標に向かっていると主張した。このタカ派姿勢はこれまでのところ円安を抑える効果はほとんどなく、市場は日銀が近い将来にFRBとの金利差を埋められるとは懐疑的な見方を崩していない。
日本の家計にとって、円安は諸刃の剣だ。トヨタ自動車やソニーグループなどの輸出企業の利益を押し上げる一方で、エネルギーや食料品の輸入コストを押し上げ、実質所得を圧迫している。日本の実質賃金は上昇の兆しを見せているが、インフレが購買力を依然として侵食している。
太平洋を挟んで、ECBも同様のインフレ持続性に直面している。フィリップ・レーン専務理事は火曜日、中東の和平見通しが改善しているにもかかわらず不確実性は依然として高く、インフレは2027年前半まで2%目標を上回る可能性があると述べ、欧州でも長期間にわたって金融引き締め政策が続く可能性があるとの見方を強めた。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。