Key Takeaways
- アリババの2026年度第4四半期決算に対するアナリスト予想のコンセンサスは、非GAAP純利益が前年同期比で60%以上減少することを示唆しています。
- この減少は、Qwenモデルを含むAI分野や即時配送事業への多額の投資が要因となっています。
- 売上高は3.7%の緩やかな成長にとどまる見通しで、目先の収益性よりも投資を優先している姿勢が浮き彫りになっています。
Key Takeaways

アリババ・グループ・ホールディング(9988.HK)は、人工知能(AI)や電子商取引への多額の投資が収益を圧迫し、第4四半期の非GAAP純利益が60%以上減少すると予想されています。
証券会社5社の推計をまとめたところ、3月31日に終了した第4四半期の非GAAP純利益の予測中央値は102億8,200万人民元(RMB)で、前年同期から65.6%の減少となりました。この予測には、AIモデル「Qwen(通義千問)」のプロモーション費用や、即時配送部門の赤字が反映されています。
同社の調整後EBITAはさらに大幅な縮小が見込まれており、中央値の予測は55億300万人民元と、前年同期比で83.1%の減少となります。対照的に、売上高は中央値で2,453億1,300万人民元、前年同期比3.7%増と緩やかな成長が予測されています。この乖離は戦略的施策に向けた巨額の資本支出を裏付けており、UBSは同年度の損失が約700億人民元に達する可能性があると推定しています。
5月13日に予定されている決算発表は、アリババの巨額の費用を伴う戦略転換に対する投資家の忍耐力が試される場となるでしょう。市場の注目は、淘宝(タオバオ)および天猫(Tモール)を中心とするEコマースグループの利益率の見通し、AIクラウド部門の資本支出のペース、そしてチップ設計部門「T-Head(平頭哥)」の分離・独立に関するガイダンスに集まっています。
アリババの多額の支出は、生成AI投資の即時の収益性に対して市場全体が疑問を呈している中で行われています。GoogleのGeminiやOpenAIのChatGPTといった主要なAIモデルを用いた公開取引コンテストでは、ほとんどのシステムが依然として市場を継続的に上回ることに苦戦しており、最近のある実験ではAIポートフォリオが資金の3分の1を失ったという結果も出ています [1]。これは、高度なAI能力を財務上の利益に変えることの難しさを浮き彫りにしています。
投資家は、テンセントやPDDホールディングスといった競合他社との競争環境をアリババがどのように乗り切るかについての最新情報を注視しています。クラウドコンピューティングおよびAI部門のパフォーマンス、特にGPUの供給状況やフルスタックAI戦略の実行力は極めて重要です。また、半導体事業であるT-Headの潜在的な上場は、高コストの拡大局面において価値を顕在化させるための鍵となるイベントとして残っています。
今回の決算報告は、AIとローカルサービスへのアリババの大きな賭けが、将来の成長に向けた明確な道を切り開けるかどうかを示す重要な指標となるでしょう。株主は、資本配分戦略の変更や、新しいベンチャー事業の収益化に向けた詳細なロードマップについて、5月13日の発表を注視することになります。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。