主なポイント:
- アドビは6月11日に2026会計年度第2四半期決算を発表、コンセンサスEPSは5.83ドル
- 株価は年初来29%下落し約247ドル、AI競合への懸念が重荷に
- ウォール街の見方は割れる—スティーフェルは400ドルの上昇余地を指摘、TDコーエンは目標株価を285ドルに引き下げ
主なポイント:

アドビ(Adobe Inc.)は水曜日に2026会計年度第2四半期決算を発表する。コンセンサス予想では1株当たり利益5.83ドル、売上高64.6億ドルとなり、前年同期比でそれぞれ15.2%、9.9%の増加を見込んでいる。
「強気のモメンタムにとって重要な閾値は、継続的なARRの安定性と、通期のオーガニック成長見通しの上方修正である」と、スティーフェルのアナリスト、J・パーカー・レーン氏は述べた。レーン氏は目標株価を350ドルから400ドルに引き上げ、買い推奨を維持。約1.5%のオーガニック売上上振れを見込んでいる。
カリフォルニア州サンノゼに本社を置く同社の株価は、月曜日の終値が約247ドルと前日比1%下落し、年初来の下落率は29%に拡大した。この売り浴びせにより、1月以降の時価総額は約600億ドル消失し、アドビは今年S&P500情報技術セクターで最もパフォーマンスの悪い銘柄の一つとなっている。
今回の決算発表は、アドビにとって極めて重要なタイミングで行われる。同社は経営陣の交代という局面にあり、シャンタヌ・ナラヤンCEOが第1四半期決算会見で辞任計画を発表したばかりだ。BNPパリバのステファン・スロウィンスキー氏は中立(Neutral)評価と目標株価265ドルを維持し、経営陣の交代が、同氏が「トリッキー」と呼ぶ四半期を前に大きな逆風となると指摘した。
アナリスト見解、AI収益化を巡り分かれる
ウォール街はアドビの見通しを巡り意見が真っ二つに分かれている。TDコーエンは目標株価を310ドルから285ドルに引き下げ、保有(Hold)評価を維持。第三者指標の弱まりを理由に挙げた。クレジットカード取引データは年率わずか1.5%の成長を示し、過去4四半期に記録した3〜6%のレンジから急減速した。チャネルパートナー調査は横ばいで、Firefly、Acrobat AI、Express各製品に対するフィードバックは精彩を欠く内容だったとしている。
RBCキャピタルはより建設的な見方を示し、アウトパフォーム(Outperform)評価を付与。総年間経常収益(ARR)が市場コンセンサスの266億ドルを上回る可能性があると主張した。パイパー・サンドラーは中立(Neutral)評価を再確認し、経営陣が示した四半期の売上高成長率9.9%というガイダンスや、最近完了したSemrush買収による追加的な貢献に言及した。
人工知能(AI)による収益源が依然として鍵を握る変数である。アドビの生成AIプラットフォーム「Firefly」およびエンタープライズ向けマーケティングスイート「GenStudio」が成長を牽引すると期待されているが、アナリストはAI収益化が従来のCreative Cloud製品の弱さや同社のフリーミアム戦略転換を相殺できるか疑問視している。
投資家にとっての焦点
今回の第2四半期決算は、CanvaやOpenAIなど生成AI競合との競争激化の中で、アドビのAI投資が成長を再加速できるかどうかを試す試金石となる。決算発表を前にしたデリバティブ価格は、方向性に関わらず、市場参加者が決算後の大幅なボラティリティを織り込んでいることを示している。
継続的なARRの安定性と通期ガイダンスの上方修正を示す好決算となれば、株価の下落トレンドを反転させ、アドビの2桁成長持続能力に対する信頼を回復させる可能性がある。一方、特にARRやAI関連の収益指標で未達となれば、売り浴びせが加速し、2024年後半以来の安値である220ドル付近のサポートラインが試されるリスクがある。投資家は水曜日の時間外決算会見で、Fireflyの収益化、Semrush統合のスケジュール、CEO後継計画に関する最新情報に注目するだろう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。